【コラム】みんな”カズ”が欲しかった!「Jリーグチップス」の歴史と想い出を改めて振り返る

前回に続き、Jリーグチップスの話題にした。まずは、ちょっとJリーグチップスの歴史を振り返ってみたい。
カルビーから発売されたJリーグチップスは、1992~1993年が最初で、Jリーグ選手カードは394種類、チームカード14種類が発売。続いて1994年には第1弾、第2弾、第3弾と人気に乗って発売された。1993年にJリーグが開幕に向けサッカー人気が一気に高まり、Jリーグチップスは爆発的な売れ行きを見せた。その勢いは、プロ野球チップスを販売中止に追い込むものだった。

2025年の復刻版

この最初の発売の時が、応援する横浜マリノスの選手が欲しくて一番買ったかも。横浜マリノスのラインナップは、MF野田知選手、MF水沼貴史選手、MF松橋力蔵選手、MF山田隆裕選手、MF木村和司選手、DF井原正巳選手、MFエバートン選手、DF小泉淳嗣選手、DF勝矢寿延選手、FW神野卓哉選手、DF平川弘選手、GK松永成立選手、FWディアス選手、MF三浦文丈選手と14種類あったが、特に木村選手と水沼選手は日産時代からのスターだったし、中盤のダイナモであったエバートン選手、世界的なストライカーであったディアス選手、そして当時“アジアの壁”として、スーパースターだった井原選手のカードが欲しかった。

しかし、買って開封してもなかなか出ない。もう一人、井原選手と並び2大スーパースターのカズ選手も欲しかったが、これも出ない。買ってはガッカリの連続だったが、開封する時のワクワク感はなにより楽しかった。でも、欲しい選手がまったく出ないので、当時集めたカードはどこにしまったか行方不明。箱買いするほどではなかったので、いつしか諦めて買うのを控えた気がする。
欲しい選手がどれか1枚でも出れば、きっと大切に保管していたと思う。誰が一番欲しかったかと聞かれたら、やっぱり木村選手かなぁ。

それ以前に、Jリーグの前身である日本サッカーリーグ時代に1987年、1991年に「JSLチップス」があったが、まだサッカー人気は低迷していた時代で売れ行きも低調だった。この希少なJSLチップスカードを持っている人は、まさにお宝といっていいので大切にしてほしい。

その後は、Jリーグフィーバーもおさまり、売れ行きは下降線をたどった。1998年は日本代表の初のワールドカップ出場(フランス大会)の追い風に乗り、193種類、チェックリスト23種類が販売されたが、売れ行きを挽回できず、1999年は未販売となった。
1年の販売中止を経て2000年に再びJリーグチップスが発売された。2001年は第1弾には、Jリーグ選手に加えて初めて日本代表カードが加わった。2002年は日韓ワールドカップ開催で国内でも日本代表サッカー人気が爆発した年であり、Jリーグ10周年を記念したカードも企画されていた。日本代表の登場は嬉しかった。中でもDF松田直樹選手を応援していた。残念ながら、このカードも出なかった。
2003年はカルナックかるびぃ屋限定のBOX特製カード、ラッキープレゼントとしてエクステンションカードが企画され、より入手が困難となっていった。
2011年には、コナミのオンラインカードゲームと提携し、「フットボールオールスター」として発売されるなどしたが、残念ながらこの年で販売は中止となった。
Jリーグチップスが販売中止になった2014年以降は、日本代表チップスのみが販売された。その日本代表チップスの初回は、2000年に静岡県限定販売だったというのも驚きだった。

そして今年2025年、なんと13年ぶりにJリーグチップスが復刻することになったが、1992年から2025年までの販売総数は5,300枚を超える。特別なカードもあって、コンプリートはほぼ不可能。ぜひJリーグかカルビーで企画して、「カードで見るJリーグの歴史展」を開催してほしい。
ちなみに、チップス付きではない、トレーディングカードとして初めて市場に出たのは1994年の「Jリーグオフィシャルカード94」で、まだサインカードもジャージカードもなかった。その後、直筆サインカードが出現し、さらにユーザーにとって魅力あふれる企画が盛り込まれ、Jリーグチップスの売れ行きを圧迫していったと今は思う。

こう見ると、Jリーグチップスの歴史は、Jリーグの歴史そのもの。特に人気の上昇、下降を色濃く反映していると言えるのではないか。

オークションでも昔のJリーグチップスは概ね1,000円以下。Jリーグチップスカード自体を見かけなくなったが、見かけたらぜひチェックしてみてはいかがだろうか。

さて、前置きが長くなった。あれだけ買ったJリーグチップス、いったいどこにいっちゃったんだろう。家にあるのは、応援している横浜F・マリノスのトレーディングカードばかり。チームエディションやスペシャルエディションを毎回ひとつBOX買いしてコレクションしていた。

Jリーグチップスで唯一あったのは、1995年の松田直樹ルーキーカード。この年、横浜マリノスは初めてJリーグチャンピオンを獲得した。それだけに大切に持っていた。また2011年8月11日、急性心筋梗塞で34歳の若さで死去して、今年で14年目。命日も近い。追悼の意も含めて、この一枚を紹介したいと思う。

皆さんも、思い出のある選手のカードを持っていたら、大切にしてほしい。

 

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文:Chief(ライター)
国内サッカーを中心にトレカの世界を長年に渡って見守って来た元スポーツ雑誌編集者。横浜F・マリノスサポーター。ラグビー、相撲にも造詣が深い。
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