国際オリンピック委員会（IOC）は10月13日、インドのムンバイで理事会を開き、2028年ロサンゼルス五輪の大会組織委員会から提案を受けた野球・ソフトボールの競技追加を承認した。15日からの総会に諮られ、正式に決まる。フラッグフットボール、クリケット、ラクロス、スカッシュも追加された。

野球・ソフトボールは21年東京五輪で日本がともに金メダルを獲得。来年のパリ五輪では採用されておらず、正式に実施決定となれば2大会ぶりの復帰となる。

キット・マコーネル競技部長は記者会見で、スカッシュ以外の団体競技はいずれも男女各6チームでの実施が提案されたと明らかにした。参加選手数上限の目安である1万500人を上回ることが想定され「（目安を）超えることになるだろうが、選手の枠が確定した段階で（ある程度）制限するつもりだ」と話した。

ロス五輪での競技入りが保留になっていた近代五種、重量挙げの実施も総会に提案する。近代五種は5種目のうち馬術に代わって障害物レースを採用。ボクシングの実施競技入りは引き続き保留された。

野球の競技復活の内定を受けWBSCのリカルド・フラッカリ会長が現地で取材対応。28年五輪での野球復活の場合、大リーグ側からトップ選手の参加を確約する文書を受け取っていると明かした。選手会とも合意しているといい、実現すれば五輪史上初めてメジャーリーガーの参戦も期待できる。

WBCと違い、これまで米国は五輪野球競技ではマイナー選手中心にチームを編成していた。「侍ジャパン」日本代表が金メダルを獲得した21年の東京五輪でも、米国代表はマイナー選手が中心の編成だった。ロス五輪は96年アトランタ以来、32年ぶりの米国での開催となる。IOCのトーマス・バッハ会長は、今回の追加候補5競技に「米国のスポーツ文化に完全に沿ったものだ。世界に米国を象徴する競技を紹介するのと同時に、国際的なスポーツを米国に持ってくることができる」と話した。NBA選手が参加するバスケットボールのようなMLBトップ選手による「ドリームチーム」結成の可能性がある。

大谷や吉田らメジャーで活躍する日本選手の出場も可能になる。今オフ、ポスティングでのメジャー移籍の可能性があるオリックス・山本ら、今後、米国移籍する選手の出場にも夢が膨らむ。

今年のWBCでは、日本が優勝を果たしたこともあり、TOPPS社のオンデマンドカード「TOPPS NOW」をはじめ、トレーディングカードも日米で大いに盛り上がった。ロス五輪は2028年7月14～30日に開催予定。投打の二刀流で完全復活した大谷の雄姿がトレーディングカードになる事を期待したい。

Cove（ライター）
元スポーツ紙ライター。国内外のコレクションアイテムを収集して30年あまり。バブルヘッドのコレクションが自慢で日本唯一のバブルヘッドライター（自称）。トレカはレギュラカードのコンプリと日本人メジャーが中心。