「ラグビーリポビタンDチャレンジカップ2025」が7月5日、福岡・ミクスタで行われ、世界ランク13位の日本が、同12位のウェールズに24―19で逆転勝ちした。2013年6月にウェールズに初勝利し、2015年ワールドカップ(W杯)で躍進した日本にとって、強豪からの12年ぶりの勝利となった。
スタンドからのカウントダウンでノーサイド。フィールドのフィフティーンも、ベンチも拳を突き上げて歓喜した。その中はこの日、代表戦デビューでチームに勢いをもたらした若手6選手もいた。
日本は開始早々、ミスからウェールズに先制のトライを奪われたが、前半16分に素早いパスを展開し、FB松永拓朗(東芝ブレイブルーパス東京)の代表初トライなどで同点に追いついた。
故障で退場となった松永に代わり、途中交代で入ったFB中楠一期(ブラックラムズ東京)は前半20分、相手にペナルティートライを与えて自身は10分間退場。それでも7―19で迎えた後半19分に反撃開始のトライを決め「夢の舞台で結果残せた。初キャップで初トライ、一時退場、初勝利といろいろ経験することができた。これからも日々成長してチームに貢献できる選手になりたい」と話した。
2点を追う後半30分、ラインアウトからのボールをモールで力強く押し込み、最後は途中出場のWTBハラトア・ヴァイレアハラトア・ヴァイレア(Hクボタスピアーズ船橋・東京ベイ)が逆転トライ。「国歌を歌っているときから、早く試合に出たくてワクワクしていました。今日でファーストキャップとって、トライもとって、本当に勝ててうれしい。後半から出てチームを助けるためにそして勝つためにチームを助けて絶対勝つという気持ちでした。もう自分のパフォーマンスを出し切りました」と笑顔を見せた。
前半は苦戦してリードを許したが、気温34度の気温の中でも最後までペースは落ちなかった。若手主体のチームをけん引した主将のFLリーチ・マイケル(東芝ブレイブルーパス東京)は「満員の観客の前で勝つことができてうれしい。この1週間、月曜から土曜まで暑さ対策やどうやって勝つか、細かいミーティングをしてきた。直前まで宮崎で暑さ対策をしてきたので、後半も走れる自信はあった。事前の準備が勝因」と胸を張った。
世界ランクが27年W杯オーストラリア大会のプール分けに影響するため、より結果が求められる今季。強豪国から価値ある白星で日本は世界ランクは12位に上がる見通し、となった。「若手は特に自信がつく試合だった。今夜は勝利を味わいたい。この勝利で自信をつけてさらにチームが成長していく」と前回、日本代表の指揮を執った1次政権以来となる強豪からの勝利に、エディー・ジョーンズ・ヘッドコーチ(HC)は喜びをかみしめた。
今季最初のテストマッチを劇勝を飾り、2027年W杯へ好スタートを切った。ラグビーもさらに、盛り上がっていくきっかけになりそうだ。そうなると、ラグビーのトレーディングカードも間違いなく盛り上がるだろう。BBMの「リーグワン」、オールスポーツカードの新作だけでなく、これまで発売されたラグビーカードも再び、脚光を浴びそうだ。
Cove(ライター)
元スポーツ紙ライター。国内外のコレクションアイテムを収集して30年あまり。ボブルヘッドのコレクションが自慢で日本唯一のボブルヘッドライター(自称)。トレカはレギュラカードのコンプリと日本人メジャーが中心。