日本代表侍ジャパンが世界一を奪回した第5回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)から間もなく3週間。まだまだ、その感動と興奮は冷めやらない。侍ジャパンがWBCを制したのは2009年の第3回大会以来だった。2009年も多くのWBCカードが作られたが、このカードは幻のブランドと言えるだろう。
「BASEBALL HEROES(ベースボール・ヒーローズ)」(BBH)は、コナミデジタルエンタテインメント(KDE)が提供した野球カードを利用したe-AMUSEMENT対応型アーケードゲームである。2005年11月にスタートし、2015年6月まで稼働した。3年後の2018年9月に「BASEBALL COLLECTION(ベースボール・コレクション)」と名前を変えて、復活した。
アミューズメント施設などに設置されたゲーム機に、自分のカードをセットして、対戦する。料金は1試合が300円~600円で、全国対戦モードを選べば、日本のどこかで同じようにゲーム機を操作している誰かと対戦できる。試合に勝利するか、引き分ければ、実物の新しい選手カードがもらえた。
その「BBH」が2009年の第3回WBC直後に「ワールド・ベースボール・クラシックモード」を発表。出場国の選手をカードにしたのである。
カードの表はプレー写真、裏面は能力などのデータが記載されている。サイズは通常のトレカよりひとまわり、小さい。カルビー「プロ野球チップス」カードよりも若干、小さい。
その構成は
・「レギュラーカード」 日本代表を含め、253種。
・「ALL TOURNAMENT TEAMカード」 表彰選手(投手3人、外野手3人、それ以外は指名打者を含め各ポジション1枚)の12種。
・「SPECIALカード」 準決勝に進出した日本、韓国、米国、ベネズエラの4か国の代表チームから各3枚の12種。
の合計277種だった。
日本代表侍ジャパンは、故障により第2ラウンドで帰国した村田修一内野手(横浜)と、代替選手として招集された栗原健太内野手(広島東洋)も含め、招集された全29選手がカード化。「ALL TOURNAMENT TEAM カード」として2大会連続のMVPに輝いた松坂大輔投手(西武)、岩隈久志投手(東北楽天)が投手部門で、青木宣親外野手(東京ヤクルト)が外野手部門でカードに。「SPECIAL カード」として、第1次ラウンドで2試合連続本塁打を放った村田、胴上げ投手となったダルビッシュ有投手(北海道日本ハム)、韓国との決勝で勝ち越し打を放ったイチロー外野手(マリナーズ)がカードになった。
このダルビッシュとイチローの「SPECIALカード」はコレクションカードとしてもなかなかのデザインである。イチローは世界一のトロフィーを掲げ、ダルビッシュは決勝戦での優勝決定の瞬間のガッツポーズである。このシーンはほかのトレカでは見たことがない写真である。ゲーム自体はもう稼働していないため、ゲームカードとしては使用できないこともあり、まさに幻のトレカとなった。
≪2009 ベースボール・ヒーローズ WBC 日本代表チェックリスト≫
・レギュラーカード
【投手】
11 ダルビッシュ有
14 馬原孝浩
15 田中将大
16 涌井秀章
18 松坂大輔
19 岩田稔
20 岩隈久志
22 藤川球児
26 内海哲也
28 小松聖
31 渡辺俊介
39 山口鉄也
47 杉内俊哉
【捕手】
2 城島健司
10 阿部慎之助
29 石原慶幸
【内野手】
5 栗原健太
6 中島宏之
7 片岡易之
8 岩村明憲
9 小笠原道大
25 村田修一
52 川﨑宗則
【外野手】
1 福留孝介
23 青木宣親
24 内川聖一
35 亀井義行
41 稲葉篤紀
51 イチロー
・「ALL TOURNAMENT TEAMカード」
松坂大輔
岩隈久志
青木宣親
・「SPECIALカード」
ダルビッシュ有
村田修一
イチロー
Cove(ライター)
元スポーツ紙ライター。国内外のコレクションアイテムを収集して30年あまり。バブルヘッドのコレクションが自慢で日本唯一のバブルヘッドライター(自称)。トレカはレギュラカードのコンプリと日本人メジャーが中心。