「第57回ミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープンゴルフトーナメント」の最終日が9月28日、利府ゴルフクラブで行われ、プロ2年目の菅楓華（ニトリ）が、2打差を逆転しツアー初優勝を飾った。8バーディー、1ボギーで65をマークし通算9アンダー。5月に20歳になったばかりの新ヒロインが「EPOCH-ONE」で優勝カードと「PLAY OF THE MONTH」の2種同時発売という快挙も成し遂げた。

プレーオフに備えパットの練習をしていた菅に、ホールアウトから30分後、吉報が届いた。あふれる涙に、顔を両手で覆った。「すごく長くて。ドキドキしながら、プレーオフのことを考えて待っていました」

1番で10メートルのパットを沈めると勢いに乗り3連続バーディー発進。「ビッグスコアを出すことだけ意識した。あのバーディーパットは大きかった」と17番で2メートルを沈め、18番もバーディーで締めた。

今季は開幕から2戦連続2位。初優勝へ期待が高まったが、目標だった10代Vを逃し、前週までベスト10が11回も優勝に手が届かなかった。「同級生や同期が優勝して焦る時期もあった。開幕から（調子が）よくて自分に期待しすぎて。最近は自信を持ってプレーすることだけ考えた」。荒木優奈や入谷響ら先を越された同級生に肩を並べた。

6歳でゴルフを始め、日章学園高3年時の2023年に「九州女子アマ」で優勝し、同年のプロテストに一発合格した。

ダンロップとゴルフ用品の使用契約を結んでおり、ホステス大会で悲願を達成した。「30歳までに女王になりたい」と目標を掲げたが、これで年間ランキング3位に浮上。残り9試合で、10年早く実現できるチャンスも出てきた。

生まれ故郷の宮崎市で開催される今季最終戦「JLPGAツアーチャンピオンシップリコーカップ」へ突っ走る。「中学、高校時代は5年間、ボランティアで現地（大会会場）に行っていました。優勝して戻れることがすごくうれしい。地元開催でたくさんの方が応援に来てくれる。がんばりたいです」と誓った。

エポック社のオンデマンドカード「EPOCH-ONE」では10月6日、菅の優勝カードの発注をスタート。さらに、同日、8月の「PLAY OF THE MONTH」に選出されたカードを同時に発売した。

「NEC軽井沢72ゴルフトーナメント」第3日の2番ホールで、菅がバックスピンで沈めたイーグルが選ばれたもので「ずっと欲しかった賞だったのですごくうれしいです。そんな思いはなかったので、（バックスピンの）動画を観てびっくりしました。また良いプレーができるようにがんばりますので応援よろしくお願いします」とコメントした。

昨年、発売された「2024 EPOCH JLPGA 日本女子ゴルフ協会 オフィシャルトレーディングカード ROOKIES & WINNERS」に収録されたルーキーカードも人気の菅。「楓華（ふうか）」の由来は、「菅家に華やかに風を吹かせる」と父・浩和さんが命名した。新ヒロインは間違いなく、ゴルフ界に、トレーディングカード界に新しい風を吹かせている。

Cove（ライター）
元スポーツ紙ライター。国内外のコレクションアイテムを収集して30年あまり。ボブルヘッドのコレクションが自慢で日本唯一のボブルヘッドライター（自称）。最近はトレカだけでなく、米国のリサイクルショップを回り、地元のアマ、プロチームの中古Tシャツ集めにはまっている。