大相撲名古屋場所の千秋楽が7月27日、IGアリーナで行われ、東前頭15枚目・琴勝峰(佐渡ケ嶽)が初優勝を飾った。東前頭筆頭・安青錦(安治川)を突き落とし、13勝2敗とした。史上38回目、37目の平幕Vで、佐渡ケ嶽部屋では10人目だった。
琴勝峰は鋭い当たりから、安青錦を左ではたくと、ウクライナ出身の新星は手をついた。4日目、5日目と連敗したが、12日目には2敗同士の小結・高安(田子ノ浦)、13日目には新横綱・大の里(二所ノ関)、14日目は関脇・霧島(音羽山)を撃破し、10連勝。190センチ、167キロの体格を生かし、前に出て攻め、快進撃を続けた。
千葉県出身の25歳。全国都道府県中学生選手権の個人戦無差別級で優勝。埼玉栄高では1年時から団体戦優勝に貢献。3年時に佐渡ケ嶽部屋に入門。2017年九州場所で初土俵、2020年夏場所で新入幕を果たした。
2024年初場所で再入幕したが、その後は、2ケタ勝利はなく、先場所は、右太ももの肉離れのため、初日から5日目まで休場。6日目から出場し、6勝4敗5休の成績だった。
2023年初場所では千秋楽まで優勝争いを展開し、貴景勝に敗れたが、11勝4敗の活躍を見せた。「土俵に上がったら、しっかり立ち合いで当たることだけを考えた。まだちょっと感情が追いついていない感じです。それでもうれしいです。(2023年初場所の経験を生かし)力みすぎないように、思い切っていきました。無意識でよく体が動いてくれた」と話した。
今場所は弟の琴栄峰が新入幕した。この日も家族が応援に駆けつけた。「どこにいたかわかんないですけど、少しはいい姿を見せることができたかと思う。(琴栄峰には)とても刺激をもらっています」と話した。今後については「自力をつけて、とりあえず三役、その先を見据えてやっていきたい」と力強かった。
琴勝峰に突き落とされ、優勝決定戦へ持ち込めなかった安青錦は「いつもの立ち合いができなかった。自分の相撲人生はこれから。来場所こそ経験を生かしたい」と巻き返しを誓った。
入幕3場所目で初の上位総当たりの15日間は11勝で、3場所連続2ケタ勝利。3場所連続三賞となる初の技能賞を獲得した。琴勝峰や草野ら新勢力も台頭し、新三役が確実な秋場所以降、大関昇進を巡る戦いは激しさを増す。「一番のライバルは自分。あまり気にしていない」と言い切った。
相撲カードといえば、BBMの「大相撲カード」である。最新カードは5月に発売された「BBM 2025 大相撲カード『和』」。琴勝峰、安青錦のカードはMINTモールに出品されている。新世代の力士たちのカードを今から収集しておきたい。
Cove(ライター)
元スポーツ紙ライター。国内外のコレクションアイテムを収集して30年あまり。ボブルヘッドのコレクションが自慢で日本唯一のボブルヘッドライター(自称)。トレカはレギュラカードのコンプリと日本人メジャーが中心。
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