NPB読売ジャイアンツの秋広優人内野手、大江竜聖投手と、福岡ソフトバンクホークスのリチャード内野手の2対1の交換トレードが成立。両球団が5月12日、発表した。

秋広はプロ5年目の22歳。二松学舎付高から2020年のドラフト5位で巨人に指名された。入団時から2メートルの身長が話題になり、パワーとともに、柔軟な打撃を持ち味の左打者として、次代のクリーンアップ候補とされた。

入団時は「68」だった背番号も、2年目の2022年には松井秀喜さんがつけていた「55」に変更。2023年には121試合に出場して打率.273、10本塁打、41打点を記録し、ブレークした。だが、昨季は26試合の出場に終わるなど、伸び悩み、今季は開幕2軍スタートで、1軍の出場はわずか5試合にとどまっていた。

大江はプロ9年目の26歳。秋広と同じ二松学舎付高から2016年のドラフト6位で入団。左のリリーフとして2020年には43試合に登板してリーグ優勝に貢献。2021年にキャリアハイの47試合に登板して13ホールドをマークするなど、これまで通算149試合に登板し7勝0敗、34ホールド、防御率3.75。昨季は24試合の登板に終わり、今季は一軍登板はなかった。

リチャードは、プロ8年目の25歳、2018年に育成ドラフト3位で入団し、3年目に支配下登録された。パワーが最大の持ち味の右打ちのスラッガーで、昨季までウエスタン・リーグでは5年連続でホームラン王に輝いていた。1軍では2021年から通算100試合に出場し、ホームラン10本を打ったが、今季は6試合の出場だった。

秋広、リチャードともに「ロマン砲」という形容詞がぴったりの選手。人気も高かっただけに、衝撃のトレードとなった。

4番・岡本和真内野手の故障により、右の強打者を探していた巨人から動いたトレードだった、という。ホークスにとっては、リチャードは出したくない選手だったが、秋広は魅力的な交換要員で、大江の加入で手薄だった左の中継ぎを強化したい考えもあったようだ。

3選手は以下のコメントを発表した。

秋広「ジャイアンツファンの皆さんの応援がすごく力になって頑張ることができました。チームは変わりますが、引き続き応援してもらえたらうれしいです」

大江「8年と少しですが、ジャイアンツで心身ともに成長させていただきました。ソフトバンクに行っても頑張っていきたいと思います」

リチャード「話を聞いた時は驚きましたが、少し落ち着いてくると、これまで見守ってくれたホークスの皆さんへの感謝がどんどん湧いてきました。特に王会長や小久保監督、山川さんには期待をかけてもらい、何度もありがたいことばや指導を受けました。それに応えられないままなのが　心残りですが、これからジャイアンツで成長する姿を見せて、恩返しをしたいと思っています」

球界を、野球ファンを驚かせた大型トレードだが、トレーディングカード界も揺るがせた。BBM「2nd バージョン」はちょうど、制作中。今後の活躍次第だが、3人の新しいユニホームでのカードが収録されるかは微妙なところだろう。エポック社の「NPB」はすでに制作は終わり、6月の発売を待つ。カルビー「プロ野球チップス第1弾」は例年より2か月ほどずらして発売されたばかり。今後のトレカでは、BBM「GENESIS」、EPOCH「LUXURY COLLECTION」やチームカード、カルビー「第2弾」などに期待がかかる。まずは、エポック社のオンデマンドカード「EPOCH-ONE」での入団会見が新しいカードになりそうだ。

応援していた選手が他球団へ移籍するのはファンにとってはショックだが、ユニホームが変わっても応援を続けるファンは多いのではないだろうか？。つまり、新天地での新しいファンも含め、ファンの数は2倍になる、ということだ。移籍先で新しくファンになった人の中には、移籍前のカードを集めてくれる人もいるだろう。ボクも3人のこれからをトレカで見守っていきたい。

Cove（ライター）
元スポーツ紙ライター。国内外のコレクションアイテムを収集して30年あまり。ボブルヘッドのコレクションが自慢で日本唯一のボブルヘッドライター（自称）。トレカはレギュラカードのコンプリと日本人メジャーが中心。

追記）秋広と大江の移籍会見カードが発売されたため、画像を変更・追加しました。