パリ五輪は7月28日、第3日が行われ、柔道男子66キロ級で阿部一二三（パーク24）が金メダルを獲得した。東京五輪に続く、2大会連続のメダルとなった。

阿部は、初戦の2回戦、準々決勝と、合わせ技一本で突破。世界ランキング1位のデニス・ビエル（モルドバ）との準決勝は延長戦までもつれたが、延長戦の開始9秒すぎに払い腰で技ありを奪い、決勝進出を決めた。

世界ランキング8位のウィリアン・リマ（ブラジル）との決勝は開始1分48秒に隅落としで技あり。さらに開始2分36秒には袖釣り込み腰で再び技ありを奪って、合わせ技一本で連覇を果たした。

阿部はこの大会4試合で相手に技のポイントをひとつも奪われずに優勝。五輪の2連覇は、日本の柔道では8人目となった。

「最高の気分です。オリンピックまでの3年間は楽な道のりではなかった。妹が負けてしまって僕自身も苦しい1日だったが、兄として『やるしかない』という思いでいました」と阿部は話した。

前回大会の東京五輪で史上初の同日きょうだい金メダルを達成した妹の詩は女子52キロ級の2回戦でまさかの敗戦を喫していた。

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「東京大会のときよりもたくさんの思いが詰まっているメダルだと思う。『これぞオリンピック』という大歓声の中で金メダルをとることができて本当によかった」と東京五輪はほぼ無観客だっただけに、日本人の観客だけでなく、日本以上に柔道大国と呼ばれるフランスの観客からの大声援も力に変えた。

「オリンピックという舞台でやってきたことを出せたことは、これからの柔道人生で強みになってくるし、自信になったので、もっと強くなりたい。つらいこと、しんどいことはたくさんあると思うが、『努力は天才を超える』というのを座右の銘にしていて、絶対にむだな努力はないと思っている。もし何かがかなわなくても、努力してきたことはむだにはならないので、途中でやめずに続けることが大切」と五輪3連覇を見据えた。

決勝戦が終わり、畳を降りた阿部はスタンドに向かって笑顔で手を振った。あらゆる方向に向かって。それはスタンドへの感謝もあったのだろうが、詩ら家族を探しているようにも見えた。お兄ちゃんはやっぱり、強くてカッコよかった。

阿部の信条は「圧倒的な柔道」。その無双ぶりはトレーディングカードでも同じ。「Infinity」をはじめとしたBBMのオールスポーツカードではサインカードも収録される常連に。エポック社の「2023 TEAM JAPAN オフィシャルトレーディングカード SYMBOL ATHLETES & NEXT SYMBOL ATHLETES」に封入されたカードも話題になり、オンデマンドカード「EPOCH-ONE」では「令和5年度JOCスポーツ賞」シリーズの1枚が最新カードになった。

さらに「エポワン」では「TEAM JAPAN オフィシャルトレーディングカード パリ2024オリンピックメダリストシリーズ」を制作することを発表。阿部の2大会連続金メダルはまもなく、発表される。

Cove（ライター）
元スポーツ紙ライター。国内外のコレクションアイテムを収集して30年あまり。バブルヘッドのコレクションが自慢で日本唯一のバブルヘッドライター（自称）。トレカはレギュラカードのコンプリと日本人メジャーが中心。