サッカー日本女子代表「なでしこジャパン」は2月28日、国立競技場で行われたパリ五輪アジア最終予選第2戦で北朝鮮を2-1で下し2大会連続6度目の五輪出場を決めた。

FIFAランキング8位の日本と同9位の北朝鮮が激突した2月24日の第1戦はサウジアラビアで行われ0-0のドロー。2試合の総得点で争われるこの最終予選では、この日の試合で勝利したほうがパリ五輪出場を決める大一番となった。

前半26分、FKを獲得した日本は相手にはじき返されながらも、ゴール前でボールをキープ。ヘディングでつなぎ、田中美南（INAC神戸レオネッサ）が頭で合わせたが、ゴールポストに直撃。それでも、そのこぼれ球を高橋はな（三菱重工浦和レッズレディース）が冷静に押し込み、先制点をあげた。

同45分には北朝鮮のヒールシュートをGK山下杏也加（INAC神戸レオネッサ）が右手を伸ばしてゴールライン上でかき出すスーパーセーブ。北朝鮮の選手は納得いかず、得点を認めるように抗議したが、今大会はVARでのプレー確認がないため、日本の1点リードで前半は終わった。

後半2分、北朝鮮がゴール前でDF陣を交わしながら、シュートを狙ったが、またも山下が好セーブ。北朝鮮のプレスが強くなる中、後半31分、清水梨紗（ウェストハム／イングランド）がゴール右からクロスをあげると、藤野あおば（日テレ・東京ヴェルディベレーザ）が頭で押し込み、貴重な追加点。同36分には北朝鮮にゴールを許し、1点差となったが、逃げ切り勝利をつかんだ。

国立競技場は「なでしこ」にとって過去14勝2敗3分け。Ｗ敗予選や五輪予選など公式戦はこの日の勝利で9勝負けなしとなり、2012年のロンドン五輪以来となる自力での五輪出場権を獲得した。

「パリ五輪出場を決めることができてほっとしている。先制ゴールはいいところにボールがきたので押し込むだけだった。その後は苦しい時間帯も続いたし、失点も私のミスで反省点も多い。チームのみんなのおかげで勝てた。北陸が大変な中、サッカーができるのは当たり前のことではない。感謝の気持ちを忘れずパリに向かって頑張りたい」と先制点の高橋は話した。

追加点の藤野も「すごくうれしいです。自分のゴールでパリを決めたいと思っていましたし、北朝鮮との初戦でシュート数が少ないのは自分でも課題だと思っていたので、きょうは積極的にゴールを狙う中で、結果に結びついて、よかったです」と安心した笑顔を見せた。

「ボールが抜けてきた瞬間に自分の体勢もよくて『まだいける』と思った。ボールの動きがちょっとスローに見えたので、ゾーンに入っていたのかな。（失点は）得点した北朝鮮の選手も見えていたし、そこしかないと分かっていたコースに決められてしまったので、ふがいない思いがある。しっかり修正してもっといい選手になりたい」とファインセーブ連発の山下は反省の思いも口にしました。

「最後は押し込まれたが、しっかり点をとって勝ち切れたことは次につながる。この最高のチームでもっともっと長くやりたいとチームには伝えて、それがパリで実現する。日本の皆さんとパリをつかめて良かった。大会までは時間があるので、そこに向かって成長できるチームになり、パリでは金メダルを目指して、また全員で頑張りたい」主将の熊谷紗希（ローマ／イタリア）は試合終了の瞬間、涙を浮かべた。

「選手たちがタフに戦ってくれて、自分の持っているものをすべて出してくれた。タフな環境で勝ちきれたことは間違いなく選手を成長させてくれる。パリ五輪では一番いい色のメダルを目指して全員で戦うので一緒に戦ってください」と池田太監督は大舞台へ胸を張った。

この日の劇的な勝利のヒロインになった高橋、藤野、そして、山下のトレーディングカードはMINTモールに出品中。パリ五輪での活躍を期待して、コレクションしてみるのはいかがだろう。

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Cove（ライター）
元スポーツ紙ライター。国内外のコレクションアイテムを収集して30年あまり。バブルヘッドのコレクションが自慢で日本唯一のボブルヘッドライター（自称）。トレカはレギュラカードのコンプリと日本人メジャーが中心。