「パナソニックオープンレディースゴルフトーナメント」の最終日が5月4日、浜野ゴルフクラブで行われ、菅沼菜々(あいおいニッセイ同和損保)が5バーディー、2ボギーの69で回り、通算10アンダーの206とし、ツアー通算3勝目をマークした。
その姿は「自称アイドル風ゴルファー」にふさわしかった。ウイニングパットを決めると、両手を高々とあげて笑顔を見せた。「おめでとう」と周囲から声をかけられると、何度も両手で顔を覆った。
2023年10月の延田グループ・マスターズGCレディース以来の優勝。「昨年は苦しくて、またこんなに早く復活できるとは信じられないです。こうやってまた優勝できて、本当にうれしいです」と笑顔に戻った。
2023年にツアー初優勝から2勝したが、昨年はトップ10入りがわずか1回。29試合出場し、半数以上の16試合で予選落ちを喫した。シードを失った今季は3試合に出場したが、予選落ちが2回と沈んだ。
前週、男子ツアー「前澤杯」に推薦出場。初日から2日間は石川遼、片山晋呉と回った。「男子選手に迷惑にならないようにと早いプレーを心がけたら、調子がいい時のリズムを思い出せた」。成績は89位に終わったが、きっかけをつかんだ。
公共交通機関や閉ざされた空間で不安を感じる「広場恐怖症」を抱え、飛行機や船に乗れないため、北海道、沖縄の大会は出場できないことが多い、という。それでも、乃木坂46のファンで、「自称アイドル風ゴルファー」と話し、ふりまく明るさで、ファンも多い。そして、そのプレーで同じ病を持つ人々に勇気を与えている。
エポック社のオンデマンドカード「EPOCH-ONE」では1年半ぶりとなる菅沼の優勝カードを制作。表面は力強いショット、裏面はもちろん、アイドルに負けない笑顔だ。このスマイルをトレカでも何度も見たい。
Cove(ライター)
元スポーツ紙ライター。国内外のコレクションアイテムを収集して30年あまり。ボブルヘッドのコレクションが自慢で日本唯一のボブルヘッドライター(自称)。トレカはレギュラカードのコンプリと日本人メジャーが中心。