
2026年、53年ぶりにニューヨーク・ニックスがNBAチャンピオンの座に返り咲いた。NBAではここ8年間、毎年異なる8チームが優勝しており、リーグ全体で上位チームたちの実力が拮抗していることが伺える。
今年のニューヨーク・ニックスが他のチームと異なる点が一つある。近年で優勝したチーム、またはファイナルにたどり着いたチームのほとんどは、ドラフトから育てあげたフランチャイズプレイヤーがいるという点だ。これに対し、ニューヨーク・ニックスのメンバーは、ほとんどがトレードやフリーエージェントで加入した選手によって構成されている。
例えばサンアントニオ・スパーズには、ヴィクター・ウェンバンヤマを筆頭としてここ数年でドラフトした若手の精鋭たちがいるし、オクラホマシティ・サンダーの場合は中心人物こそトレードで加入したシェイ・ギルジャス・アレクサンダーだが、それを支えるのはジェイレン・ウィリアムズやチェット・ホルムグレンなどドラフトから育てた生え抜き選手たちだ。そしてボストン・セルティックスにはジェイソン・テイタムとジェイレン・ブラウン、デンバー・ナゲッツにはジャマル・マレーとニコラ・ヨキッチという、ドラフト指名から育てた選手たちによる強力なデュオがある。ここ数年、そうした生え抜きの選手が活躍するチームがチャンピオンになるというトレンドが続いていた。

しかしニューヨーク・ニックスの場合は、ミネソタ・ティンバーウルブスからトレードで加入したカール=アンソニー・タウンズ。トロント・ラプターズで優勝後、トレードでニックスに加入したOG・アヌノビー。キャリア8年目にして、既に3チームでのプレイ経験があるミカル・ブリッジズなど、ほとんどのメンバーが別のチームから加入してきた。他にもジョシュ・ハートやランドリー・シャメット、ジョーダン・クラークソンなど、今のニックスはチームを転々としたジャーニーマンの集まりともいえる。そして、ニックスの再建と優勝に大きく貢献したジェイレン・ブランソンも、キャリアの始まりはダラスだった。ダラス・マーベリックスとの契約延長がうまくいかなかったところでニックスが契約し、マーベリックスに在籍時代、プレーオフで見せた実力をいかんなく発揮しはじめると、瞬く間にニューヨークにおけるトップスター選手となった。チャンピオンシップシリーズでは平均32.6得点、プレイ時間も平均39.2分とまさに名実ともにニックスの中心人物だ。ここでここ数年のNBAのトレンドを打ち砕き優勝まで導いたニューヨーク・ニックスの核であるジェイレン・ブランソンのトレーディングカードのトレンドを少々振り返ろう。

2018-19 Panini National Treasures Rookie Patch Autographs (RPA) Logoman #132 Jalen Brunson Signed Patch Rookie Card (#1/1) – BGS NM-MT+ 8.5 ©Goldin
現ニューヨーク・ニックスの中心人物、2025-26シーズンはオールNBA 2ndチームにも選ばれたジェイレン・ブランソン。加入前からスーパースター扱いを受けていたルカ・ドンチッチの影に隠れることが多かったが、プレーオフでプレイ機会を得るとその実力をいかんなく発揮した。その後、契約延長を渋ったマーベリックスに変わり、ニックスがそのポテンシャルに望みをかけ契約。結果を見れば、見事賭けに勝ったといえるだろう。優勝を決めたチャンピオンシップ第5戦においても、チームメイトの得点が合わせて49得点というなか、彼だけで45得点を決め、チームを牽引する強烈なリーダーシップをこれ以上ない形で証明してみせた。

その活躍ぶりからサインカードのみならず、彼のルーキーカードの価値も右肩上がりだ。
ブランソンのカードの中でもっとも知名度が高いであろう、Panini社のブランド『Prizm』のベースルーキーカードも高騰している。未鑑定のベースカードが現在30~40ドル(約4,500~6,000円)ほどの間で取引されており、PSA社による鑑定済みのもので10点を獲得したものが577ドル(約9万円)以上で取引された履歴も出ている。
またジェイレン・ブランソンの超高級バスケットボールカードも、早速動きを見せている。今年の6月に入り、市場には30,000ドル以上の高値で取引されたものが既に4枚確認され、他にもこの絶好のタイミングを逃すまいと多くのカードが出品されており、お目当てのブランソンのトレカを手に入れるまたとないチャンスとなっている。超高級カードに限って言えば、ブランソンのカードの最高取引額は2024年に更新されてから動いていない。96,660ドル(約1,500万円)で取引された【2018-19 Panini Prizm Jalen Brunson Nebula Choice Prizm PSA 10】が最も高く取引されたブランソンのバスケットボールカードだが、直近でヴィクター・ウェンバンヤマのバスケットボールカードの最高取引額が大幅に更新されたこと、数カ月前にバスケットボールカードの史上最高取引額が更新されたことなど、バスケットボールカード市場に大きな注目が集まる中、優勝という結果を受けて、ブランソンのカードの最高取引額が更新されることも時間の問題だろう。
ちなみに、この優勝を記念してTopps社からは多くの「Topps Now」受注生産カードが作成されており、優勝という特別な体験をいつでも思い出せるアイテムとして、こうした記念カードを購入するのはオススメだ。Topps Nowはランダムでパラレル版が封入されており、さらに低確率でサインカードも封入されていることもある。今回はそれだけでなく、優勝記念セットを購入したなかでも特に幸運なファンに、Topps Now初の優勝記念クインタプルサインカード、つまり5人の選手のサインが1枚のカードに書き込まれたサインカードが当たることとなった。記念品を手に入れながら、もしかしたら超豪華なカードが当たるかもしれないこのチャンス、ぜひお見逃しなく。
BREAKING: The Knicks starting lineup will sign a first-of-its-kind QUINTUPLE AUTOGRAPH card celebrating their first NBA Championship in 53 years 🤯🏆 pic.twitter.com/mQmCHAqHjl
— Topps (@Topps) June 14, 2026
そして、2027年のNBAドラフトから、ドラフト順位を決めるドラフトロッタリーの方式が大幅に変更される。最低勝率のチームが1位指名を手に入れやすくなるというこれまでのルールが変更され、高い確率で抽選に望むためには、ある程度勝つことが必要になってくる。これはよりよい指名権を手に入れるために多く負ける行為、いわゆるタンキングが2025-26シーズンから本格的に問題視されているためだ。これにより、成績下位チームはより計画的に再建への道を設ける必要が出てきた。これからはニックスのように、フリーエージェンシーやトレードを中心としたチーム再建ルートを選択するチームも増えてくる可能性が考えられ、過去のトップドラフトピックではなかった選手たちも日の目を浴びることが多くなるかもしれない。手元に眠っているカードを改めて整理してみたり、秘かに注目している若手選手のカードを集め始める良い機会かもしれない。
文:蛭子(株式会社ミント)
MLB・NBA・NFL、その他数々のアメリカンスポーツを愛する生粋のボストンっ子。
現地観戦やファンベースでの経験を活かし、豊富な知識とともに、スポーツへの熱い思いを日々発信中。
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