NBAのシーズン開幕まで3カ月を切り、既に今オフシーズンはビッグニュースで埋め尽くされた。選手やチームのオフシーズンの動向の噂は絶えることはないが、ここで今のところ、大きくな動きを見せ選手を追加したチームを見ていきたい。
・HOUSTON ROCKETS/ヒューストン・ロケッツ 2024-25シーズン52勝30敗
昨年オクラホマシティ・サンダーに続き、ウェスタン・カンファレンス第2位にまで返り咲いたヒューストン・ロケッツ。もう一歩、もう一人というところまで来たロケッツはついにスーパースター、ケビン・デュラントをNBA史上最大の7チーム間トレードの一環としてフェニックス・サンズから手に入れた。2024-25シーズンも平均26.6得点と、未だ衰えが見えないデュラントの加入はチームの大きな得点源となること間違いなし。アメン・トンプソン、アルペラン・シェングンと若きスターたちとともに、ロケッツとして30年越しのチャンピオンシップを目指す。
近年におけるデュラントのカード人気は比較的落ち着いているが、2021年に最大で780,000ドル(現在ドル円レートで1.14億円)で取引されており、ハイエンドなルーキーカードは変わらず1万ドル以上の高値で取引されている。チームを優勝に連れていける正真正銘のスターとして自身の実力を証明できれば、評価も一気に上がる可能性がある。
・LOS ANGELES CLIPPERS/ロサンゼルス・クリッパーズ 2024-25シーズン50勝32敗
常にレイカーズの陰に隠れているクリッパーズだが、今オフシーズンは思い切った追加に手を出している。まずフェニックス・サンズが放出したブラッドリー・ビールと契約。ミルウォーキー・バックスの頼れるセンターだったブルック・ロペスとスパーズとの契約が終了しフリーエージェントとなったクリス・ポールと契約。スターティングメンバー、ベンチともに平均年齢32歳と、ベンチメンバーの手厚さもリーグ随一と言える顔ぶれが揃った。ブラッドリー・ビール、クリス・ポールともにルーキーカードはかなり値段がついており最大で132,000ドル(約2,000万円弱)と124,000ドル(約1,800万円)で取引されているが昨今のサインカードは10,000円前後から取引されており、お手軽にレアカードが手に入る人気ベテランプレイヤーたちの一角と言える。
両人とも未だ優勝を経験しておらず、ジェームズ・ハーデンやカワイ・レナードと共に経験の差を見せつけてほしい。
・LOS ANGELES LAKERS/ロサンゼルス・レイカーズ 2024-25シーズン50勝32敗
ルカ・ドンチッチとマックスエクステンションを結んだロサンゼルス・レイカーズは去年以上の飛躍を目指している。その証拠として最もポテンシャルのある若きビッグマン、2018年全体一位指名選手のディアンドレ・エイトン選手と契約。エイトンも自分の実力をトップマーケットチームで発揮すべくチームの勝利に貢献できるよう期待されている。もう一つの大きな動きが、長きに渡って米国の対岸に位置したライバルチームに所属していた”ディフェンシブプレイヤー・オブ・ザ・イヤー”が加わることだ。マーカス・スマートがレイカーズと2年契約を結び、守備力をより強固なものにすること間違いなしだ。ドンチッチは言わずもがな彼のカードはカード市場最も高値で取引されたもののひとつで、2021年に460万ドル(6.8億円)で取引された。
逆にエイトンやスマートはお手軽にカードが手に入る選手たちで、約2,000円からサインカードを手に入れることができる。チームが大きく飛躍すれば、各々のカードの需要や価格も上がることが期待される。
・MILWAUKEE BUCKS/ミルウォーキー・バックス 2024-25シーズン 48勝34敗
キープレイヤーの怪我が続き思い描いていたシーズンが送れず、ポストシーズンでもインディアナ・ペイサーズに第一ラウンドで敗退したミルウォーキー・バックス。デイミアン・リラードやブルック・ロペスなどの主要選手を失うも、去年自身を打ち倒したペイサーズからマイルズ・ターナーを引き抜き、ゲイリー・トレントジュニアやボビー・ポーティスなどの中堅選手たちと再契約。ヤニス・アデトクンボがチームに残るかどうかなど暗雲が立ち込めるが、バックスのチームとしての新しい時代を迎えていることは間違いない。2021年にバックスをチャンピオンシップまで引っ張ってきたヤニス選手のカードは2020年に最大で1800,000ドル(約2億6000万円)で取引されており、現在もサインカードなどはなかなか市場を出回らず貴重なカードの一つなのは間違いない。
マイルズ・ターナーのような選手はカード界では過小評価されており、サインカードはかなり買いやすく約2,000円からこちらも手に入る。「リーグ随一」とも言えるフロントコートになったバックスのビッグマンたちの活躍に、来シーズンは目が離せない。
10月のシーズンスタート、2月のトレードデッドラインまで買い手や売り手のチームは活発に動くだろう。自前のドラフトピックとトレードで優勝することができることを証明した、オクラホマシティ・サンダーを倒さんとするウェスタン・カンファレンスのチーム。強豪チームに怪我が続き、どのチームにも平等に大きなチャンスが訪れたイースタン・カンファレンスのチームたち。このチャンスを逃さんと大きく動くチームがいてもおかしくなく、これからもそれぞれのチームの動向に注目だ。
文:蛭子(ミント新宿店 副店長)
MLB・NBA・NFL、その他数々のアメリカンスポーツを愛する生粋のボストンっ子。
現地観戦やファンベースでの経験を活かし、豊富な知識とともに、スポーツへの熱い思いを店舗でも日々発信中。
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