「宮里藍サントリーレディース」の最終日が6月15日、六甲国際ゴルフ倶楽部で行われ、高橋彩華(さやか=フリー)が3バーディー、1ボギーの70で回り、通算16アンダーとし、3年ぶりのJLPGAツアー2
勝目を飾った。
2022年の「40th フジサンケイレディスクラシック」でのプロ初勝利以来の頂点。高橋は両手で顔を覆い、肩を震わせた。
3番ではティーショットがグリーン右奥、バンカー手前ラフへ。下りの20ヤードというアプローチを鮮やかにカップインし、流れをつかんだ。それでも、14番でボギーをたたいてからの「4、5ホールが苦しかった。1位か、2位くらいだろうと思っていたので、もう落とせないと思った」とさらなる重圧との戦いが始まった。
15番でバーディーを奪った。2打差で迎えた最終18番では8メートルのバーディーパットで1メートルあまりのショート。「息ができなくなりました。(リーダーズボードを確認し)2パットでいいと思った瞬間、めちゃくちゃ固くなりました」。
パーパットを「神様お願いします」と祈りつつ、カップに沈めた。緊張から解放された瞬間、涙があふれた。「3年ぶりの優勝がかかっていて辛い1日だったんですけど、最後まで自分を信じて優勝できて本当にうれしかった」。
アマチュアとして、2017年のこの大会に出場し、引退試合だった宮里藍さんと同組で回った。この日は表彰式で大会アンバサダーの宮里さんから優勝ブレザーを着せてもらった。「もうなんかすごい胸が熱くなって。プロになってよかった」と感激した。
昨年の河本結以来、28試合ぶりの「黄金世代」(1998年度生まれ)通算51勝目となった。「今は年間で複数回、優勝したいという目標があるので、そこを目指して今シーズンは戦いです」と笑顔を見せた。
「絶対、行きたい」という「AIG全英女子オープン」出場も決まった。高橋とこの大会で1打差2位の岡山絵里、大会終了時点のポイントランキング上位の佐久間朱莉、神谷そら、小祝さくらが、7月31日に開幕する全英の出場権を獲得した。
高橋の優勝を記念するエポック社のオンデマンドカード「EPOCH-ONE」は、表面が緊張の優勝ショット、裏面が宮里さんから受け取ったブレザーに袖を通しての笑顔の写真となった。
Cove(ライター)
元スポーツ紙ライター。国内外のコレクションアイテムを収集して30年あまり。ボブルヘッドのコレクションが自慢で日本唯一のボブルヘッドライター(自称)。トレカはレギュラカードのコンプリと日本人メジャーが中心。