北別府学さんが天国へ。広島の元エースのサインカードが多い理由。【コラム/プレーヤー】

広島東洋カープのエースとして通算213勝をあげた北別府学さんが6月16日、65歳の若さで天国に旅立った。

北別府さんは1975年のドラフト1位指名を受けて都城農業からカープに入団。ルーキーイヤーにプロ初勝利をあげると、3年目から11年連続で2ケタ勝利をマークした。82年には自身初の20勝で最多勝のタイトルを獲得。86年には最優秀防御率と、2度目の最多勝に輝いた。この82年と86年には沢村賞にも選出されている。

好投手を輩出してきたカープにあって、エースとして、語り継がれている。チームひと筋19年間の現役生活で現在も球団記録として残る213勝。5度のリーグ優勝と3度の日本一に貢献した。球団最多の開幕投手を9度も務め、セ最多となる開幕投手で6勝をマークした。

150キロの剛球はなかったが、球の切れと制球力で「精密機械」と呼ばれた。抜群の制球力で歴代9位の無四死球試合36度。86、88、91、92年にはセ1位の与四球率を記録した。一方、逃げずに勝負を挑んだ結果、歴代4位でセ最多の380本塁打を浴びている。

BBMが2000年代初めに、初めて制作した北別府さんの初めての直筆サインカードは発売当時、3万円以上の市場価格で取引された。20年以上前のこの価格が今ならどれほど、高価なものかは想像できるだろう。このカード以降、BBMでもエポックでも多くのサインカードが作られることになり、価格的にも手に入れやすくなる。

北別府さんがサインカードの制作に協力的だったことには理由がある。現役時代にファンサービスができなかったことを悔やみ、恩返しの意味も込めて、引退後は積極的にサインをしてきたのだ、という。サインカードが増えれば、自分のサインカード、そして、自身の市場価値が下がると心配し、サインをしなくなるアスリートやOBもいる中で、かつてのマウンドでの投球のようにひたむきな思いでペンを走らせた。

16日の試合は、床田寛樹が5安打完封。北別府さんは現役時代に28完封。床田の背番号は28。17日は北別府さんと同じ背番号20の栗林良吏が最後を締めて連勝。北別府さんのサインカードを求めて集まったトレカショップでもファンやコレクターはそんな話題で盛り上がったという。みんなに愛された北別府さんを、誰も忘れない。

合掌。

Cove(ライター)
元スポーツ紙ライター。国内外のコレクションアイテムを収集して30年あまり。バブルヘッドのコレクションが自慢で日本唯一のバブルヘッドライター(自称)。トレカはレギュラカードのコンプリと日本人メジャーが中心。

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