FIFAワールドカップ2026北中米大会の決勝トーナメント1回戦で日本は6月29日、ヒューストンスタジアムでブラジルと対戦。、先制したものの追いつかれ、後半終了間際のアディショナルタイムに勝ち越しゴールを決められて1-2で敗れた。
確かに左手に触れたが、ガブリエウ・マルチネッリのシュートはゴールの右隅に吸い込まれた。あと数センチの差だったろう。後半のアディショナルタイム。それまで、守備の要として猛攻を防いでいたGK鈴木彩艶は悔しさを隠さなかった。
1次リーグのグループFを2位で通過した世界ランキング18位の日本に対して、ブラジルはグループCを1位で通過した世界6位の優勝候補。W杯で5回、世界の頂点に立ったブラジルの圧は前半からすさまじかった。
6万人を超える観客がスタジアムを埋めたが8割以上がブラジルの黄色いユニホームに身を包んでいるアウェーの中、日本は臆することなくボールを追った。
序盤から陣形をコンパクトに保ち、前線から果敢にプレスをかけた。前半29分にMF佐野海舟が、中盤で相手のパスをカットしてそのままドリブルで持ち上がり、ペナルティーエリアの外から豪快に右足でシュートを決めて先制した。

後半、ブラジルのクロスボールを早めに上げる攻撃にさらに自陣深くまで押し込まれた。GK鈴木彩の好セーブ、DF冨安健洋の体を張った守備でゴールを割らせなかったが、後半11分に左クロスからMFカゼミロにヘディングで決められ同点に追いつかれた。
その後も日本はブラジルにボールを持たれる時間が続き、後半のアディショナルタイムにはボールをつながれ、最後は、FWガブリエウ・マルチネッリに勝ち越しゴールを決められた。
後半33分に、追加招集されたFW町野修斗を投入する勝負手も、延長戦を見込んでFW小川航基を温存する森保一監督の采配も実らなかった。
この試合で日本が放ったシュートは5本だったのに対し、ブラジルは19本。成功したパス数も日本の279本に対してブラジルが652本、ボール保持率も日本の32%に対してブラジルが68%と圧倒される苦しい戦いだった。
「自分の得意な形で奪って運んでいっていうのは自分が今まで理想としていたところなので、そういうふうなプレーで得点を決めたのはよかったけれども、自分の得点なんかよりチームの結果がすべてなので悔しいです」と初出場の大会で初ゴールを決めた佐野は話した。
「結果がすべてだと思いますが、このチームはこんなところで終わるようなチームではなかったので本当に悔しい。最後のところで決め切られてしまうというのは実力不足を感じますが、自分たちがやってきたことは間違いではないと思うので積み重ねてきたものにしっかり誇りを持ちたい」と続けた。

「先制して守備の時間は長かったがチーム全体として体を張って守るというのは最後まで続けたし、自分としてもチームを助けたい思いだったが防ぎきれなかったのは受け止めないといけないし、まだまだ強くならないといけない」と鈴木彩は話した。
「結果が出なかったのは、まだ甘い部分はあったかもしれない。強豪国に対してチャレンジャーとして臨むという精神は間違っていなかったし、それをやり続けた先に最高の景色が待っていると思うので、またひとつになって前に進んでいきたい」と守護神は前を向いた。
日本はこれまで決勝トーナメントに進んだ4大会で、いずれも1回戦で敗退しており、5回目の挑戦でも初勝利はならなかった。

「ここで大会を去らなければいけないということは本当に残念だが、選手たちはきょうの試合も全力を尽くしてくれた。今は悔しいが、さらに力をつけられるようにやっていくという結果を受け入れたい。選手たちは本当に全力を尽くして頑張ってくれたので日本の誇りを感じていただき、選手たちをたたえていただければと思う」と日本代表の森保一監督は話した。
号泣するMF田中碧をはじめ、涙を流す選手も多かった日本代表イレブン。決勝トーナメントは初戦で去ることになったが、森保監督の試合後のコメントがサポーターの想いであり、次代への価値ある敗戦だったことを物語っていた。
「日本のサッカーのレベルは上がってきている。ただ世界を超えていくには努力しなければいけないし、変えていかなければいけないところがあるということを今大会でも学ぶことができた。これからも世界一を目指して、日本のために頑張りたい」。
何度も涙を乗り越えて、強くなってきた日本代表。これからも、トレーディングカードでも応援していきたい。
Cove(ライター)
元スポーツ紙ライター。国内外のコレクションアイテムを収集して30年あまり。ボブルヘッドのコレクションが自慢で日本唯一のボブルヘッドライター(自称)としてテレビ出演も。最近はトレカだけでなく、米国のリサイクルショップを回り、地元のアマ、プロチームの中古Tシャツ集めにはまっている。





























