
ロサンゼルス・ドジャース対トロント・ブルージェイズのワールドシリーズ第3戦が10月27日、ドジャースタジアムで行われ、野茂英雄さんが始球式に登場した。
かつて、野茂さんが旋風を巻き起こしたドジャースタジアムに「NOMO―SAN The mound is yours」のアナウンスが響き渡り、大声援が沸き起こった。1995年に入団した際の背番号「16」のユニホームで、捕手役の山本由伸にノーバウンドで投球。往年の「トルネード投法」ではなかったが、見事な投球で大観衆をさらに沸いた。
野茂さんは照れくさそうに笑いながら、「バファローズ」の後輩に歩み寄り、腰に手を回し記念撮影。ボールを手渡そうとした山本のグラブに入れた。引き揚げる際にはロバーツ監督とハグして会話を交わし、通算165勝のサンディー・コーファックスさんとも笑顔で握手し、にこやかに会話を交わした。

この盛り上がりもあり、野茂さんの始球式カードが「TOPPS NOW」から登場すると信じたのはボクだけではなかったはずだ。夜中に発表される「TOPPS NOW」のラインナップを睡魔と戦いながら待ったが、2本塁打2二塁打を含む9連続出塁の大谷翔平投手のカードは2種あったが、野茂のカードはなかった。延長18回、6時間39分の死闘はあまりに長すぎて、TOPPS社では野茂さんの始球式はまるで前日の試合前だった気分になってしまったのだろうか。
野茂さんは近鉄バファローズから95年にドジャースとマイナー契約を結び、ドジャースに移籍。同年にメジャー昇格し、村上雅則(ジャイアンツ)以来、32年ぶり2人目の日本人メジャーリーガーとなった。1年目は28試合の登板で13勝6敗、リーグ2位の防御率2.54、236奪三振を記録。最多奪三振のタイトルを獲得し、アジア人として初めての新人王にも輝いた。
1996年9月17日のロッキーズ戦でノーヒットノーランを達成。レッドソックス時代の01年4月4日には2度目のノーヒットノーランを達成した。のべ8球団12シーズンでメジャー通算123勝。近鉄での78勝と合わせ、日米通算201勝をあげた。2014年にはNPBの殿堂入り。現在はサンディエゴ・パドレスの球団アドバイザーを務めている。
ドジャースには1995年から1998年途中まで、2002年から2004年まで在籍し、81勝をマークした。とくに、1995年にストライキでファン離れの進んだMLBが再び、活気を取り戻したのは野茂さんの存在が大きかったと言われた。
2008年、カンサスシティ・ロイヤルズでの登板を最後に現役引退。この年にTOPPS「Triple Threads」を最後にトレーディングカードが作られてこなかった。
ただし、2021年の「TOPPS NOW」の「Road to Opening Day」のパドレスセットで、ダルビッシュ有投手の投球を見守る姿が半身だけ写真に写っていたことがあった。

しかし、今年、野茂さんがTOPPS社のカードに復活した。日本で発売された「2025 NPB Stadium Club」「2025 NPB Chrome」に直筆サインカードが封入された。この原稿を書いている時点でこのサインカードを引き当てたという情報は入っていない。
さらにMLBのカードでも「2025 Series 2」にインサートカード2種が収録された。ひとつは、シルバーパックに封入されたもので、シリアルナンバー入りのパラレルも存在する。ノモマニア」と呼ばれたファンだけでなく、新しいコレクターにも人気のカードになっている。
そして「2025 Diamond Icons」にも野茂さんのカードは収録。今後、発売されるTOPPSの商品にはこの流れは受け継がれていくはず。もしかすると、この日の始球式カードも今後、貴重なインサートカードとして封入される可能性もありそうだ。
Cove(ライター)
元スポーツ紙ライター。国内外のコレクションアイテムを収集して30年あまり。ボブルヘッドのコレクションが自慢で日本唯一のボブルヘッドライター(自称)。最近はトレカだけでなく、米国のリサイクルショップを回り、地元のアマ、プロチームの中古Tシャツ集めにはまっている。
「野球」に関する記事
「Cove」の記事



























