アメリカ最大のプロスポーツ、「NFL」の開幕が来週に迫っています。全米が注目する開幕戦では、日本時間9月5日(金)に、昨季のスーパーボウルチャンピオンでNFL連覇を目指すフィラデルフィア・イーグルスと、日本での人気が高く、30年ぶりのNFL制覇を目指すダラス・カウボーイズが試合を行います。
イーグルスはスーパーボウルを制覇した主力メンバーからディフェンスでは約10人が抜け、新戦力・および昨年控えだった選手の台頭が求められます。また、オフェンスでは新オフェンシブコーディネーターのもとで、昨季並のオフェンスを構築できるのかは注目です。この2つが噛み合わなければ連覇は難しいでしょう。
一方でカウボーイズは新ヘッドコーチが就任。昨年のメンバーにパッチワーク的に補強は重ねていますが、まずはQBのダック・プレスコットが健康で1シーズン過ごすことが大前提です。さらにディフェンスのスター選手のマイカ・パーソンズがシーズン前にパッカーズへ電撃トレード。チームとファンの雰囲気は最悪で開幕に向かいます。
今回はそんな2チームで特に注目の(トレカ的)選手5人と、注目のルーキー、そしてトレカ的に注目ではないですが、筆者が気になる選手を3人ご紹介します。
イーグルスをスーパーボウル制覇に導いた超人的なRB。NFLの長い歴史で8人しか達成していないシーズン2,000ヤードラッシュを達成しました。大学時代から世代に1人のRBとして評価され、ドラフト全体2位でニューヨーク・ジャイアンツに入団し、1年目からオフェンスのルーキーオブザイヤーを受賞。しかし、その後は怪我の影響やボロボロのチームの煽りを喰らい、成績が伸び悩んでいたところで同地区のイーグルスへ電撃移籍し、移籍1年目でチームをスーパーボウル制覇へと導きました。トレカ的にもルーキー時代のカードは高値で取引されています。日本でも所持しているコレクターは多そうです。
過去3シーズンでスーパーボウルに2回出場し、そのうち1回を制覇。実はQBとしての評価はそこまで高くはないのですが、現在のNFLの顔のひとりと言える選手でしょう。QBが豊作と言われていた2020年のNFLドラフトで、同期の中では5番目の指名で、最初から決して目立っていたわけではありません。しかし、謙虚さと成長を追求するメンタリティ、そしてチームの勝利を優先する姿勢によりNFLにも順応。スターターを獲得してからも成長を続け、自分を捧げるプレースタイルでチームを勝利に導いています。スーパーボウルを制覇しても浮かれている様子がなく、淡々と今季を見据えているのもかっこいいですね。ちなみに、前述のQBとしての評価の低さから、トレカ的には比較的お求めやすい価格になっています。
現在のNFLを代表するWRのひとりです。ドラフト2巡でテネシー・タイタンズに指名され3シーズンを過ごすも、2022年のドラフトの最中にイーグルスへ電撃トレード。その後は、3シーズンで2回スーパーボウルへ出場し、タイタンズがブラウンの代わりに1巡で獲得したトレイロン・バークスは、3シーズンで1TDのみしか成績を残せずと、両チームでくっきりと明暗が別れています。昨季は試合中に読んでいた『インナー・エクセレンス』が話題になるなど、フィールド内外で影響力大。にもかかわらず、トレカ価格はまだ伸びしろ十分です。
カウボーイズが誇るスター選手。入団以来ハイパフォーマンスを継続し、2024年には当時としてはWRで2番目となる高額契約を勝ち取りました。昨季はやや数字を落としたものの、プレスコットの復帰により、再びの高い成績が期待されます。ちなみにカレッジ時代には、ジェイレン・ハーツとともにプレーし、ハーツよりも上位のドラフト1巡目で指名されました。
カウボーイズの先発QBとして10シーズン目を迎えるベテランQBです。今季の出来次第では、チームのパスヤード・パスTD記録を塗り替える可能性があります。しかし、いくら成績が良くても90年代までは常勝だったカウボーイズで、彼の10年間のプレーオフ成績は2勝5敗。そろそろ結果を残さなければなりません。トレカ関連の話題では、過去にサインが機械で書かれてるのではという疑いを持たれていたことがあります。価格自体は控えめです。
■注目のルーキー
ジハード・キャンベル/イーグルス
スーパーボウル王者のイーグルスがドラフト全体31位で指名したのがLBのキャンベル。高校時代から世代トップ級の選手として評価され、アラバマ大学で3年間過ごし、昨季は117タックル・ 12ロスタックル・5サックという成績。LBというポジションでプロのオフェンスに慣れるのは時間がかかりますが、彼もプレシーズンの感じではその様子。まずは控えとしてプロに慣れ、2年目以降での活躍に期待したいです。
ここからはトレカ的にはそこまで注目ではないですが、追加で3人ほど気になる選手を紹介させてください。
ザック・バウン /イーグルス
プロ入り後4年間鳴かず飛ばずだった選手がイーグルスに来たことでリーグを代表する選手へと開花。リーグ6位のタックル数とリーグ2位のファンブルフォースなど、LBとして縦横無尽に駆け回り活躍しました。オフシーズンには大型契約もゲット。クビ寸前だった選手がリーグを代表する選手になったサクセスストーリーは、昨季の中でも最も印象的な話のひとつです。
クイニョン・ミッチェル/イーグルス
2024年にドラフト1巡目でイーグルスに入団したCBです。ルーキーながらも開幕スターターを任されると、ロックダウンコーナーとして一気に評判を上げます。シーズンではインターセプトなしに終わりましたが、プレーオフでは2つ獲得。ここからリーグを代表するCBになる可能性も感じさせる期待の2年目です。
ブランドン・オーブリー/カウボーイズ
現在、私が考えるNFLのナンバーワンキッカーです。元はMLSで1巡でドラフト指名されたサッカー選手でしたが、サッカー選手としては芽が出ずに引退してソフトウェアエンジニアリングの道を進んでいました。ある日、妻とNFLの試合を観戦しているとキッカーがフィールドゴールを外し、そのときに妻に「あなたにもできるのでは」と言われたそうです。
その言葉がきっかけとなり、キッカーとしての練習を積み、遂にはアメフト選手としての道を掴み、カウボーイズへ入団しました。1年目から60ヤードのフィールドゴールを決めるなどの好成績を残すと、昨年はNFLの歴史上2位となる65ヤードのフィールドゴールを叩き込み、今年はさらなる飛躍が期待できます。トレカ的にはまだまだ人気はありませんが、今後に向けて押さえておきたい選手でもあります。
今回はNFLの開幕戦で戦う2チームの注目選手を紹介しました。
次回は、NFLとほぼ同時に開幕するカレッジフットボールの注目QBを紹介したいと思います。来年のドラフトはQBが豊作になる予感。今のうちから注目選手を押さえておきましょう。
文:Tamago
国内のNFLファンコミュニティでも一目置かれる存在で、特にカレッジフットボールの知識に関しては「日本随一」との呼び声も高く、毎年恒例となっているドラフトビッグボードでは、数百人に及ぶ選手の評価・分析を行い話題となっている。戦術、選手育成、大学文化に至るまで多角的な視点でフットボールを分析し、その的確さには定評がある。
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