
「北海道meijiカップ」の最終日が8月10日、札幌国際カントリークラブ 島松コースで行われ、河本結(リコー)が1年ぶりのJLPGAツアー3勝目を挙げた。首位と4打差の8位から出て1イーグル、3バーディー、1ボギーの68で回り、通算9アンダーで逆転した。8月20日にはエポック社のオンデマンドカード「EPOCH-ONE」から2年連続の優勝カードが作られた。
起死回生のひと振りだった。1打差を追う15番ホールで、残り157ヤードの第2打。フェードが得意の河本は左からの強風を読み、迷わず選んだ6番アイアンでピンより8ヤード左へ振り切り、直接カップインさせイーグル。「(入った瞬間は)見えていなくて、ギャラリーの反応で気づきました。いいショットだったのでピンに付いたとは思いました。今シーズンのベストショット。勇気を持って打ったごほうび」と振り返った一打で単独トップに立った。

クラブハウスリーダーで結果を見守り、優勝が決まった。「やったぁーといううれしさと、不思議な感覚が同時に出てきて…」と話した。その感覚の理由は「ショットの精度がいまひとつ。きょうもそうだけど、本当にバーディーチャンスが少なかった。だから、ショートゲームでスコアメークをする作戦。ただ、私はメンタルも技術のひとつだと思っている。それだけに、プレー中は順位、相手は関係ない。無の状態でワンプレーに集中しました」と振り返った。
表彰式では自身が持つ19色のリボンから選んだ「明治カラー」のリボンをなびかせ、最高の笑顔でトロフィーを掲げた。
昨年2位のリベンジを果たした。今年7月上旬には腰痛と熱中症で2試合連続で途中棄権。その後の2戦は復帰したが、出場権があった前週の「AIG全英女子オープン」は疲労が残り、回避した。

前週のオフには故郷・愛媛に戻り、3月に天国に旅立った祖父の墓前に手を合わせた。「夢を否定せず一番応援してくれた。背中を押してもらった。必死でゴルフと向き合うのがおじいちゃんも好きだったので貫きたい」と初心に戻った。
「平均ストローク1位、年間女王になることが目標。何勝するとか、そういうことは後からついてくるものでしょう。強すぎてウザいと思われるくらい強い選手になりたい。女子ゴルフの素晴らしさ、魅力を発信したい。いろいろなゴルフがあっていいと思う」と最後まで力強かった。

プロ8年目の26歳は、間違いなく、トレーディングカードでも女子ゴルフの素晴らしさ、魅力を発信できるひとりである。
Cove(ライター)
元スポーツ紙ライター。国内外のコレクションアイテムを収集して30年あまり。ボブルヘッドのコレクションが自慢で日本唯一のボブルヘッドライター(自称)。最近はトレカだけでなく、米国のリサイクルショップを回り、地元のアマ、プロチームの中古Tシャツ集めにはまっている。



























