MLBドラフト2025が7月13日、アトランタで開催され、全体1位でワシントン・ナショナルズがイーライ・ウィリッツ内野手(フォートコブ=ブロックストン高)を指名した。ドラフトのクラスを1年早めて2025年組に再分類された選手(学業や年齢などの要件を早めて満たし、1年早く2025年のドラフトに参加した)で、ドラフト史上3番目に若い17歳216日での全体1位指名選手となった。
元エンゼルスのレジー・ウィリッツ外野手を父に持つウィリッツは、俊足のスイッチヒッターで、強肩の遊撃守備も高い評価を受けていたが、全体1位はサプライズ指名とされた。
全体2位の指名権を持つロサンゼルス・エンゼルスは最速98マイルのタイラー・ブレムナー投手(カリフォルニア大サンタバーバラ校)を指名。ここ数年のエンゼルスは即戦力の大学生を上位指名し、すぐにデビューさせる傾向があり、ブレムナーにも期待がかかる。
全体3位のシアトル・マリナーズが1位指名が予想されていた左腕ケイド・アンダーソン投手(ルイジアナ州立大)、全体4位のコロラド・ロッキーズがイーサン・ホリデイ内野手(スティルウォーター高)を指名した。ホリデイは父がマット・ホリデイ外野手(ロッキーズなど)、兄が2022年全体1位指名のジャクソン・ボリディ内野手(ボルチモア・オリオールズ)と野球一家に生まれた。父ががかつてプレーしたロッキーズでプロ生活のキャリアをスタートさせることになった。
全体5位のカージナルスはリアム・ドイル投手(テネシー大)の、全体6位のパイレーツはセス・ヘルナンデス投手(コロナ高)を指名。ヘルナンデスは高校生右腕として史上初の全体1位指名の可能性もウワサされていた逸材。
全体7~10位は遊撃手の指名が続き、マイアミ・マーリンズは全体7位でアイバ・アーケット内野手(オレゴン州立大)、トロント・ブルージェイズは全体8位でジョジョ・パーカー内野手(パービス高)の、シンシナティ・レッズは全体9位でのスティール・ホール内野手(ヘウィット=トラスビル高)、ホワイトソックスは全体10位でビリー・カールソン内野手(コロナ高)を指名した。
全体11位のアスレチックスは、前評判の高かったのジェイミー・アーノルド投手(フロリダ州立大)を指名した。
その後、全体27位のガーディアンズまで1巡目指名が続き、全体28位ではボビー・ウィットJr.のMVP投票ランクインにより「有望株昇格インセンティブ」の追加指名権を得たロイヤルズがジョシュ・ハモンド内野手(ウェズリアン・クリスチャン・アカデミー)を指名。FA移籍の補償指名権(全体29~32位)、戦力均衡ラウンドA(全体33~43位)と続き、全体44位から2巡目指名に突入した。
全体32位ではドジャースの三塁コーチ、ディノ・エベルさんの長男ブレイディ・エベル内野手(コロナ高)がミルウォーキー・ブルワーズから1巡目指名を受けた。ブレイディは投手として11勝0、防御率0.32をマークした「二刀流」選手だが、エンゼルス、ドジャースで大谷翔平投手と接してきたエベルコーチの考えもあり、遊撃手として契約する予定だ。大谷とは幼少時から親交もある、という。なお、カリフォルニア州の強豪校・コロナ高からは4選手が1巡目指名を受けた。
ニューヨーク・メッツ、ニューヨーク・ヤンキース、ロサンゼルス・ドジャースの3球団は、ぜいたく税22番目の基準額を超過したことで「最上位の指名権が10ランクダウンする」というペナルティを受けており、それぞれ持っていた全体28・29・30位の指名権が全体38・39・40位に変更。戦力均衡ラウンドAの中に組み込まれた。今年からドラフトは2日間で行われることになり、初日のこの日は3巡目直後のFA補償指名権まで、総勢105人の選手が指名を受けた。
ウィリッツら、ドラフト1巡目指名選手のMLBユニホームでのカードは、秋季リーグでのプレー写真を使ったTOPPS「BOWMAN DRAFT」からになりそうだ。全米代表ユニホームのカードはPANINI社の「STARS &STRIPS」やLEAF社の「ONIX」などのアマチュア野球の有力選手を集めたブランドから発売されている。
Cove(ライター)
元スポーツ紙ライター。国内外のコレクションアイテムを収集して30年あまり。ボブルヘッドのコレクションが自慢で日本唯一のボブルヘッドライター(自称)。トレカはレギュラカードのコンプリと日本人メジャーが中心。