1993年5月15日、日本初のプロサッカーリーグ開幕は「Jリーグの日」として記念される。この記念日に合わせて、2025年シーズンの5月17日と18日の試合会場で、12年ぶりにJリーグチップスが復刻されるという、カードファンにとっては何とも嬉しいニュースが飛び込んできた。
Jリーグチップスは、1992年から2013年までカルビーが発売したポテトチップスに選手カードが付いていた。まだトレーディングカードが販売される前だったし、発売当時から大人気で、好きな選手のカード欲しさにまとめ買いをした思い出もある。それでも、なかなか欲しい選手のカードは手に入らなかったが、コンビニなどで見かけると、ついつい一つ、二つと買ってしまう。ポテトチップスもちょっとおやつ代わりになるし、夜のビールのお供になっていた。
Jリーグ開幕当初は、選手の知名度もまだそんなに高くなく、Jリーグチップスがサッカーファン拡大に大きく貢献したことは間違いない。
表面には選手の写真。裏面には、選手名、所属チーム、ポジション、生年月日、身長・体重、出身地、サッカー歴。さらに選手プロフィールもあり、必要最低限の情報を網羅していた。あっ、この選手は地元の何々高校出身なんだとか、誕生日が一緒なんだとか、カードを見ながら思いは膨らみ、今度見に行った時は応援しようと夢も膨らんだ。
そのJリーグチップスが復刻した。現役選手180種、選手OBが35種、さらに特別カードも含めて全220種類。私たちの世代にとって何より嬉しかったのが、OBカード。現日本代表の森保一監督のサンフレッチェ広島時代をはじめ、清水エスパルスの長谷川健太選手、ジェフ市原(現・千葉)のリトバルスキー選手、浦和レッズの福田正博選手、横浜マリノスの木村和司選手、ガンバ大阪の永島昭浩選手、横浜フリューゲルスのモネール選手、名古屋グランパスエイトのジョルジーニョ選手。そして、ヴェルディ川崎のカズ選手と、鹿島アントラーズのジーコ選手もラインナップにあるではないか。特にアントラーズ時代のジーコ選手は、記憶ではJリーグチップス初登場じゃないかな。いゃあ、これはたまらない。
しかし、残念なことに一般販売はなく、試合会場で来場者に無料配布。さらに限定数の配布で、事前や当日抽選。なんともハードルが高い。
ジーコ選手、カズ選手が欲しいと思っても、これは絶対に無理。会場に行って、しかも抽選に当たらないと手に入らない。
それでも5月17日の横浜F・マリノス対京都サンガ戦に行って、好運にも抽選に当たって手に入れたのは、鹿島アントラーズのFW鈴木優磨選手カードだった。この日の観客数は20,786人。2,000人が当たったとすると、当選確率は10%にもいかない。それだけ厳しかった。嬉しさ半分、失望半分っていうところかな。
案の定、この日からオークションでJリーグチップスの出品が目白押し。ジーコ選手やカズ選手は5万円以上の高値が付いていたのにはびっくり。やはり一般販売して、多くのファンに買ってもらえる機会を、Jリーグ、カルビーにお願いしたい。
文:Chief(ライター)
国内サッカーを中心にトレカの世界を長年に渡って見守って来た元スポーツ雑誌編集者。横浜F・マリノスサポーター。ラグビー、相撲にも造詣が深い。
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