バレーボールの「ネーションズリーグ」女子１次リーグ千葉大会が7月9日、千葉ポートアリーナで開幕。世界ランク5位の日本は同17位のフランスを3-0で下し、通算7勝2敗とした。2012年ロンドン五輪銅の大友愛さんを母に持つ秋本美空（ヴィクトリーナ姫路）が国内代表デビュー戦を飾った。

日本女子初となる外国人監督のフェルハト・アクバシュ氏が率いる新体制で国内初戦に臨み、地元千葉出身で新エース・佐藤淑乃（NECレッドロケッツ川崎）が両チーム最多19得点と活躍したこの試合。チーム最年少18歳の新星・秋本は第2セット終盤に途中出場し、スパイクを決めた。第1週のカナダ大会初戦のオランダ戦で代表デビューは果たしていた。「ワクワクしました。自分を知らない人も、自分を出て知ってくれて、自分が取った点数で喜んでくれるというのはすごくうれしいなって思いました」。

第2セットの23-15の場面でセッター・中川つかさ（NECレッドロケッツ川崎）とともコートイン。日本のセットポイントからレフトにトスが上がり、秋本は冷静に相手ブロックの手に当てて得点をあげた。「高さだけでは自分は（海外に）勝てない。（石川）真佑さんや（佐藤）淑乃さんみたく、ブロック使った点数の取り方もやっていかないといけないと思った。千葉ラウンドまでの練習期間でブロックアウトの練習をしてきた。それが今日できたので良かった」と話した。

長身185センチのアタッカーは次世代を担う大器。東京・共栄学園高で全日本高校選手権を制し、卒業後にSVリーグの姫路に入団した。この日は母が客席で見守る前での国内代表デビュー。ワンポイント起用にはなったが「自分がどれだけその練習したことを発揮できるかが、監督へのアピールにもなるし、自分が成長できる瞬間・出たからには自分の全力のプレーを出していきたいなって思います」としっかりと前を見据えた。

秋本は翌10日の世界ランキング34位の韓国戦では今大会初先発。3-0のストレート勝ちに貢献した。観戦する母の前で、長身から繰り出す威力ある強打を披露した。第1セット中盤、相手ブロックの上から決めると、終盤にもマークをかわして得点。第2セットは、1枚ブロックでスパイクを止めるなど守りでも見せ場を作った。それでも「もっとできたかなと思う。（出せた力は）65％くらい」と自己採点した。日本は試合前の他会場の結果により、日本は決勝トーナメント開催国のポーランドを除いて１次リーグの上位７チームに入ることが確定し、決勝トーナメント進出（7月23-27日、ポーランド・ウッチ）が決まった。

これまで、秋本のトレーディングカードは作られておらず、9月に発売されるプロデュース216「バレーボール女子日本代表 2025」トレーディングカードにも収録の予定はない。それでも、将来性十分の次代のアタッカーは今後、トレカになっていくだろう。母のように…。

Cove（ライター）
元スポーツ紙ライター。国内外のコレクションアイテムを収集して30年あまり。ボブルヘッドのコレクションが自慢で日本唯一のボブルヘッドライター（自称）。トレカはレギュラカードのコンプリと日本人メジャーが中心。