「東アジアE-1サッカー選手権2025決勝大会」の最終日が7月15日、韓国・龍仁ミル・スタジアムで行われ、日本が1-0で韓国を下し、3連勝。2大会連続3度目の優勝を飾った。
前半8分にFWジャーメイン良(サンフレッチェ広島)が、左サイドからMF相馬勇紀(FC町田ゼルビア)が上げたクロスを、左足ボレーで合わせた。代表デビューとなった大会初戦の香港戦で4得点。そして、この日は大会5点目となる先制弾が決勝点に。3戦5ゴールで大会得点王とMVPに輝いた。「韓国戦で点を取るか、取らないかで自分の評価はだいぶ変わってくる部分があったと思うので、最後ひとつ、とれたのはよかったです」
サンフレッチェのチームメート、GK大迫敬介もビッグセーブを連発した。引き分けでも得失点差で優勝という大一番で、韓国を無得点に封じ、頂点に立った。「日韓戦」3連勝も果たした。
米国人の父と日本人の母を持つジャーメインは流通経済大学在学中に特別指定選手としてべガルダ仙台に加入。全日本大学選手権大会で2度、優勝し、卒業後の2018年、仙台に入団。2021年に横浜FC、2022年にジュビロ磐田に完全移籍。今季からサンフレッチェ広島でプレーしている。日本代表は2017年にユニバーシアード代表に選出され、優勝に貢献。A代表は今回が初招集だった。
海外組の招集はなく、国内選手だけで戦った。中国戦でゴールをあげるなど、存在感を見せた23歳の望月ヘンリー海輝(FC町田ゼルビア)ら、若手だけではない、30歳を超える選手もいた。勝ち取った栄冠は「Jリーグの力」を見せた結果でもある。30歳のジャーメインはその象徴となった。
北中米ワールドカップ(W杯)メンバー入りへ大きなアピールとなった。「(代表は)ミーティングひとつとっても、全てのレベルが高い。こういう中でしか成長できない部分もあると感じましたし、また代表に呼ばれたいと、僕だけじゃなくてみんなが思っていたと思う。まずはチームに戻って、結果を出したい思いが強くなりました。広島で点を取ろうという決意が強くなりました」
「難しい、厳しい戦いの中、選手たちが毎日成長していく、今の自分より、今のチームよりもチャレンジして成長しようということを、この試合でもプレーの随所に見せてくれました。選手たちの努力が素晴らしかったと思います」と森保一監督は話した。「選手たちが今回見せてくれたJリーグ、国内組でもやれるというところ。日本全体の選手層の厚さを示してくれたと思います。日本国内のプライド、Jリーグのプライドを示してくれて、W杯への選手選考が難しくなるなと思いました」と嬉しい悩みを口にした。
Jリーグへの注目度をアップさせた連覇。Jリーグのトレーディングカードへの関心もまた、アップした。
Cove(ライター)
元スポーツ紙ライター。国内外のコレクションアイテムを収集して30年あまり。ボブルヘッドのコレクションが自慢で日本唯一のボブルヘッドライター(自称)。トレカはレギュラカードのコンプリと日本人メジャーが中心。