今年のJリーグ序盤戦は、京都サンガ、湘南ベルマーレ、柏レイソルが大活躍。
地力のある鹿島アントラーズがそれを追って首位争いに躍り出る。
一方、過去5度優勝し、一度もJ2に降格していない横浜F・マリノスが最下位に沈み、名古屋グランパスも苦戦する予想外の展開となっている。
そのJリーグで気になるのが、かつて海外で活躍し、日本代表でも中心選手としてプレーし、その後Jリーグに復帰したベテランプレーヤーだ。その中から3名を取り上げた。
先発出場は少ないが、豊富な経験を活かし、全盛期とは違った試合の流れを読み、効果的なプレーをしている。
まずは清水エスパルスの乾貴士選手。第12節の横浜F・マリノス戦の82分に交代出場した乾選手が、鮮やかなミドルシュートを決めて清水エスパルスを逆転勝利に導いた。
2018年のロシア・ワールドカップでの決勝トーナメントのベルギー戦は結果的には敗れたが、日本の2点目となるミドルシュートを決めた。それを彷彿とさせるゴールだった。
2007年に横浜F・マリノスでプロデビュー。その後、セレッソ大阪を経て、2011年にドイツのVfLボーフム、フランクフルトで活躍。2015年にスペインのSDエイバルに移籍。
レアル・ベティス、デポルティーボ・アラベスを経て、再びSDエイバルと2021年まで長くラ・リーガで活躍し、通算100試合に出場。スペインで確固たる地位を築いた日本人選手と言える。
その後、セレッソ大阪に復帰し、2022年からは清水エスパルスでプレーする。36歳となり、往年の1対1の打開力は落ちたが、周りを使い、局面を打開する攻撃的センスは、今も観客を魅了する。
オークションで見るとセレッソ大阪時代の直筆サインカードが2枚セット約4万円で出品されている。また横浜F・マリノス時代のジャージカード約3,000円も面白い。
日本代表、各クラブ時代のトレカを探してみるのも楽しいかも。
続いて、ガンバ大阪の宇佐美貴史選手。33歳になっても、サイドから柔らかなボールタッチのドリブルで仕掛け、味方を上手く使ってコンビネーションで相手ディフェンスを崩すプレーは、さらに円熟味を増している。
小学生時代から天才少年と知れ渡り、2009年にガンバ大阪のトップチームにクラブ史上初となる高校2年で昇格した。2011年にはブンデスリーガの名門バイエルン・ミュンヘンに移籍。その後、ホッフェンハイムでプレー。
2013年に一度はガンバ大阪に復帰したが、2016年にアウクスブルクへ移籍。デュッセルドルフを経て、2019年にガンバ大阪に再び復帰。
クラブ史上初の在籍通算100ゴールも達成した。日本代表としては、2018年のロシア・ワールドカップに出場するものの、試合数は通算27試合と大きな活躍には恵まれなかった。
しかし、豊富な経験を持ち、試合の流れを読んだプレーは、まさにいぶし銀的な存在で、宇佐美選手のプレーを見るのは楽しみだ。直筆サインカードは、概ね8,000円前後と比較的入手しやすい。今が買い時だろう。
最後に、浦和レッズの原口元気選手。実家のある埼玉の熊谷出身だけに、若い時から注目していた選手だ。2009年に浦和レッズと17歳のクラブ最年少で契約した天才は、若い時は切れ味鋭いドリブルを武器にしたが、年を重ねると持ち味のスタミナを活かし、高いユーティリティ能力を発揮して、攻守のバランスを取れる選手となっている。
2014年にドイツのヘルタ・ベルリンに移籍。その後も、デュッセルドルフ、ハノーファー96、ウニオン・ベルリン、VfBシュツットガルトと長くブンデスリーガで活躍。
2024年に10年ぶりに浦和レッズに復帰してサポーターを熱狂させた。
日本代表としては、2018年のロシア・ワールドカップのアジア最終予選で史上初となる4試合連続ゴールを記録したほか、本大会の決勝トーナメントのベルギー戦で先制ゴールを挙げた。74試合に出場し、11ゴールを記録した。
33歳となった天才のプレーは、今もワクワクさせる。
直筆サインカードは、日本代表で5,000円から1万円前後が相場。浦和レッズ時代は、それより少し高めだ。でも、やっぱり浦和レッズの赤いユニフォームを着たトレカがいい。
そのほかでは、鹿島アントラーズの柴崎岳選手、セレッソ大阪の香川真司選手も海外で活躍して、Jリーグに復帰したベテラン選手。この二人のトレカも注目してみたい。
文:Chief(ライター)
国内サッカーを中心にトレカの世界を長年に渡って見守って来た元スポーツ雑誌編集者。横浜F・マリノスサポーター。ラグビー、相撲にも造詣が深い。