1991年5月1日、アメリカ・テキサス州アーリントン。MLB史に残る偉業が、この夜、44歳の右腕によって達成された。
テキサス・レンジャーズのエース、ノーラン・ライアンが、トロント・ブルージェイズを相手に通算7度目のノーヒットノーランを達成。
これはMLB史上最多記録かつ、史上最年長での達成記録であり、現在に至るまで破られていない偉大な記録だ。
この記録達成により、ライアンは「史上最高のパワーピッチャー」としての評価を不動のものとした。
この日、ライアンは序盤から150キロを超える速球を投げ込み、観客を圧倒。ブルージェイズ打線を全く寄せ付けず、終わってみれば奪三振16、四球2。
トータル122球での完封劇は、まさに“鉄腕”の名にふさわしい圧巻のパフォーマンスだった。
MLB史上最多の通算5,714奪三振や、27年にわたる実働年数など、ライアンには他にも数々の記録がある。
1966年にメッツでデビューし、大谷翔平選手が在籍したエンゼルス、アストロズを経て、レンジャーズへと渡った彼は、どの球団でも球史に残る活躍を見せてきた。
そしてその長いキャリアの中でも、1991年5月1日の試合は特に象徴的な瞬間とされている。
“Ryan Express”のニックネームにふさわしい速球を武器に、打者を力でねじ伏せる豪快そのものといえる投球スタイルも、人気の要因だっただろう。
時に制球を欠く荒々しさもあったが、それすらもライアンの魅力だった。
“打者を圧倒する力”を持つ数少ない投手として、ファンの心に深く刻まれている。
その圧倒的な実績から、ノーラン・ライアンのトレーディングカードはヴィンテージMLBカードの中でも人気が高い。
現在においても様々なデザインのカードが最新ブランドに封入されているほどで、サインカードもある。
そんなライアンのカードの中でも、現在MINT Seller’s VAULTを通じて販売されているこのカードは特別な魅力を放っている。
サイ・ヤング、ノーラン・ライアン、野茂英雄、ジム・バニング。
偉大な投手4名のサインが刻まれたこのカードは、2004年にDonruss社からリリースされた「Timeless Treasures」シリーズに封入された、世界に1枚だけの「1of1」だ。
“NO HITTERS”の刻印は、まさにこの4人のキャリアを象徴する一語。
完全試合を含む3度のノーヒッターと史上最多の通算511勝を誇るサイ・ヤング、MLB史上最多7度のノーヒッターを記録したライアン、MLBで2度のノーヒッターを達成した野茂英雄、そして完全試合も含む2度のノーヒッター記録を持つジム・バニング。
それぞれが野球史に確かな足跡を残した”NO HITTERS”だ。
この1枚が特別なのは、単に希少性が高いというだけではない。
異なる時代、異なる背景を持ちながらも、“記録”によって結びついたレジェンドたちの名前が、ひとつのカード上に集結しているという物語性にこそ価値がある。
コレクターズアイテムの枠を超え、野球というスポーツの歴史を1枚に封じ込めたレガシーの一つとも言える存在だ。
かつて、44歳のノーラン・ライアンが誰にも真似できない偉業を成し遂げたこの日、マウンドに立ち続けた“鉄腕”に思いを馳せてみてはいかがだろうか。
記録を超えて刻まれた鮮烈な記憶は、今もなお、ベースボールを愛する人々の心に息づいている。
文:伊藤 航 (株式会社ミント 広報)