日本から昨年9月にWWEに参戦しNXTで活躍していた「美しき狂気」ジュリアのスマックダウン昇格が電撃決定した。
衝撃はリング上ではなく、バックステージで走った。5月16日にノールカロライナ州グリーンズボロで開催されたスマックダウン。第1試合で勝利し「マネー・イン・ザ・バンク」への出場を決めたアレクサ・ブリスがバックステージでシャーロット・フレアに共闘を呼び掛けていると、ニック・オールディスGMの部屋からジュリアが登場。オールディスGMがシャーロットとアレクサに「スマックダウンに昇格したジュリアだ」と紹介。その様子を画面で見ていた会場の観客からは大歓声が沸き起こった。
ジュリアはふたりのスーパースターを一瞥し何も語らず、不敵な笑みを浮かべて去った。わずか、8か月でのスピード昇格を果たし、物おじしない度胸と大物ぶりをあらためて、発揮してみせた。
4月の祭典「レッスルマニア41」明けからは、スマックダウンともに、メインブランドのひとつ、ロウに登場して、女子世界王者のイヨ・スカイを襲撃、試合も行っていた。NXTから、スマックダウン、ロウに昇格するには、年に1回、開催されるドラフトで指名されるか、実力でどちらかのメインブランドと契約する道がある。ジュリアは実力で昇格を勝ち取った。昇格がうわさされている「神童」ロクサーヌ・ペレスを追い抜いての昇格でもあった。
スピード昇格と同様に、ジュリアはトレーディングカードも渡米してすぐに制作されてきた。日本時代のBBMのルーキーカードも注目を集めたが、PANINI社のオンデマンドカード「PANINI INSTANT」で、NXT初登場のシーンがカードになり、同じ写真を使い「SELECT」にパック・ボックス商品では初のカードが封入された。「2024 FLAWLESS」のパラレルカードも高額で取引されている。
WWEのトレカに関する制作・販売の権利がTOPPS社に戻ってからは、同社のオンデマンドカード「TOPPS NOW」がNXTでの初戴冠をカードにしたほか、バッケル、TNAからのWWE移籍が発表されたばかりのジョーディン・グレースとのスリーショットがカード化された。
TOPPS社のパック・ボックス商品では「2025 CHROME」への封入が期待されたが、昇格前ということもあり、実現せず。「レッスルマニア」開催を記念したオンデマンド企画の「2025 CHROME WWE Wrestlemania Cactus Jack」で限定カードが登場した。
ネットオークション「eBay」では、5月に入ってから「2025 CHROME WWE Wrestlemania Cactus Jack」の5枚限定レッド・リフラクターが1,026ドル(約15万円)、「2024 FLAWLESS」の8枚限定「Amethyst Gem」が999ドル(約14万6000円)で落札された履歴が残っている。
5月24日のスマックダウンでのデビュー戦も決まった。「マネー・イン・ザ・バンク」の予選トリプルスレットマッチでシャーロットと女子US王者ゼリーナ・ベガと対戦する。
今回の昇格で、「TOPPS NOW」でのカード化のチャンスが増えるのはもちろんだが、今後、発売されるWWEのパック・ボックス商品での封入が確実。サインカードも作られるだろう。メインブランドでの戦いぶりと、新たなトレカというジュリアのWWEでの新章に期待が集まる。
Cove(ライター)
元スポーツ紙ライター。国内外のコレクションアイテムを収集して30年あまり。ボブルヘッドのコレクションが自慢で日本唯一のボブルヘッドライター(自称)。トレカはレギュラカードのコンプリと日本人メジャーが中心。