プロボクシングのWBA、WBC、IBF、WBO世界スーパーバンタム級タイトルマッチが5月4日、米ラスベガスのT-モバイル・アリーナで行われ、王者の井上尚弥が8回45秒TKOでラモン・カルデナス(米国)を下し、4団体統一王座の4度目防衛に成功した。
井上はプロ30戦全勝。4団体統一王座の4度目の防衛はサウル「カネロ」アルバレス(メキシコ)と並び歴代最多タイ。世界戦11連続KO勝利で、世界戦KO勝利数を23とし、伝説の世界ヘビー級王者ジョー・ルイス(米国)を超えて77年ぶりに記録を更新し、歴代単独最多となった。
5、6回にカルデナスをロープに追い込み、7回に一方的に攻めて終盤に初ダウンを奪った。そして、8回、右ストレートで挑戦者をコーナーに飛ばし、連打したところでレフェリーがストップをかけた。
2回、カルデナスの左フックを受け、人生2度目のダウンを喫したが、すぐに立ち上がり再開。4回にジャブからの連打でペースをつかんだ。

昨年も好評だった「CROWN」の直筆サインカード
ラスベガスのリングは、WBA、IBF世界バンタム級統一王者時代の2020年10月のジェーソン・モロニー(オーストラリア)戦、2021年6月のマイケル・ダスマリナス(フィリピン)戦に続く3度目だが、過去2度はコロナ禍の影響で無観客と入場人数の制限があった。今回は、初めて2万人の大歓声を浴び、ラスベガスで1415日ぶりの勝利をTKO
で飾った。
「カルデナス選手はタフさがあるので、そう簡単にはいかないなと思っていた。映像で見ていたよりもっともっと強い選手だった。全体的なボクシングもそうだが、すごく対策をしてきていると感じた」と振り返った井上。「落ち着いてポイントをピックアップしていくことを考えた。ラスベガスでカルデナス選手と戦えたことはキャリアの中ですごくいい経験になった」と話した。
次の防衛戦は、今年9月に、WBA=世界ボクシング協会の暫定王者、ムロジョン・アフマダリエフ(ウズベキスタン)と戦うことが発表された。
「モンスター」と呼ばれる井上のトレーディングカードも怪物級の市場価格で取引される。オールスポーツカードの雄としても知られる井上だが、BBMの「Infinity」や「Crown」などに毎回、カードが収録され、BBM「2019 平成」のサインカードはMINTモールに12万円で売買された履歴が残っている。BBM「2023 Crown」の25枚限定「JET」(PSA10)は6万円とパラレルカードでも高い値がついた。
聖地ラスベガスで、衰えぬ強さを見せた井上はどこまで行くのだろう。そのトレカもどこまで、行くのだろう。
Cove(ライター)
元スポーツ紙ライター。国内外のコレクションアイテムを収集して30年あまり。ボブルヘッドのコレクションが自慢で日本唯一のボブルヘッドライター(自称)。トレカはレギュラカードのコンプリと日本人メジャーが中心。