千葉ロッテマリーンズの中村奨吾内野手が4月22日の埼玉西武ライオンズ戦で放ったサヨナラ打のトレーディングカードが話題になっている。
エポック社のオンデマンドカード「EPOCH-ONE」が中村のサヨナラ打の一瞬をカード化。中村にとって、プロ11年目で初のサヨナラ打ということも驚きだが、その写真で、バットがすさまじく高く投げられている「バットフリップ」カードなのだ。
「バットフリップ」カードについてはちょうど2年前に書かせていただいた。
「バット投げ」はトレカで観るパフォーマンス? 若大将が、ノリが、そして、中田翔が投げた!【コラム/コレクション】
この時は、中田翔内野手(当時読売ジャイアンツ)、中村紀洋内野手(当時大阪近鉄バファローズ)、原辰徳内野手(当時読売ジャイアンツ)のバットフリップカードを紹介した。
あれから、大谷翔平投手(当時ロサンゼルス・エンゼルス)のバットフリップカードも人気を集めた。
ボクが覚えている、バットを高く投げた選手は、原である。1992年7月5日の神宮球場でのヤクルト戦。9回に同点2ランを放ち、バットを投げた。延長11回に勝ち越した巨人はヤクルトとゲーム差0に並んだ。春先の低迷から快進撃を続ける巨人の熱いこの一戦の視聴率は驚異の30.4%だった、という。
このシーンはBBM「2016 原辰徳メモリアルベースボールカードセット 我が心の若大将」でカードになっているのだが、残念ながらバットは写っていない。
MLBの公式サイトが「史上最高のバットフリップ」を特集したこともあった。ランキングで1位に輝いたのが2015年にホセ・バティスタ外野手(トロント・ブルージェイズ)がテキサス・レンジャーズとの地区シリーズ第5戦で披露した「バット・フリップ」だった。
同点の7回に勝ち越し3ランを放った際に豪快に、バットを一塁側へ投げつけた。この時は角度がなく弾丸ライナーのように横に投げている。距離は出ていそうだが、高さは中村奨には及ばない。
過去にはもっとすごいバット投げもあったかもしれないが、トレカ的には、今回のカードが最「高」記録」の「バットフリップ」カードだと信じている。飛んだバットを見逃さなかったカメラマン、カットせずにバットまでの写真をカードに選んだエポック社に拍手を送りたい。感動の一瞬のシーンが収まった6センチ×9センチのサイズこそがトレカの真骨頂だ。
Cove(ライター)
元スポーツ紙ライター。国内外のコレクションアイテムを収集して30年あまり。ボブルヘッドのコレクションが自慢で日本唯一のボブルヘッドライター(自称)。トレカはレギュラカードのコンプリと日本人メジャーが中心。