MLB大谷翔平投手（ロサンゼルス・エンゼルス）は6月18日、球宴（７月11日・クアーズ・フィールド＝コロラド州デンバー）の前日に開催される本塁打競争（ホームランダービー）に出場することを表明した。本塁打競争は、球宴自体にも負けない人気のイベントになっており、出場8選手はMLB機構の推薦を受けた選手自身が出場を決める。昨年は新型コロナの影響により中止になったため、2年ぶりに開催される本塁打競争で大谷は8選手のうちで出場決定1号となった。

またもや快挙を成し遂げた。日本人初のMLB本塁打競争出場。出場すれば、公式戦中断（オールスターブレイク）の期間は休めない。トーナメント方式の優勝を争う方式で疲労してしまう選手も多い。それでも、大谷は出場を決断。「すごくワクワクしているし、楽しみにしている。せっかくなら誰よりも遠くまで飛ばせるように頑張りたい。もちろん出るからには（優勝を）目指したい」と、気圧が高い高地にあることから打球が飛び、打者有利と言われるクアーズ・フィールドでの大一番に意気込んだ。

大谷は、１７日までに両リーグ３位の１９本塁打をマーク。１４日に発表された球宴のファン投票中間集計では、ア・リーグ指名打者部門でトップの５２万６６０８票を獲得していた。そして、この表明後の対タイガース戦では20号、21号と1試合2本塁打。70試合での20号は、あの松井秀喜外野手（ニューヨーク・ヤンキース）を超える日本人最速での到達となった。

MLBの本塁打競争の人気ぶりを証明するのがトレーディングカードだ。スーパースター選手が勢ぞろいする球宴で、さらにスーパースラッガーが熱戦を繰り広げる本塁打競争。これまでもTPPS社のオンデマンドカード「TOPPS NOW」はもちろん、TOPPS「UPDATE」などで多くのカードが封入される。「TOPPS NOW」では2019年には優勝したピート・アロンソ内野手（ニューヨーク・メッツ）のベースカード、直筆サインカード、メモラビリアカードなどが発行され注目を集めた。アロンソだけでなく出場選手のカードが作られたことから、大谷の本塁打競争カードが作られるのは間違いない。これも日本人選手初である。

大谷は北海道日本ハムファイターズ時代の2016、17年のNPB球宴の本塁打競争に出場。初出場した2016年の第１戦の試合前の競争では山田哲人（東京ヤクルト）、決勝で柳田悠岐（福岡ソフトバンク）を破り、優勝を飾った。

今年の球宴が開催されるコロラド・ロッキーズの本拠地、クアーズ・フィールドと言えば、1996年に野茂英雄投手（ロサンゼルス・ドジャース）がノーヒットノーランを達成し、伝説を作った。今季の大谷の本塁打平均飛距離、419フィート（約127.7メートル）はMLB5位。最長本塁打は自己最長の470フィート（約143.3メートル）を記録し、これも今季MLB5番目にランキングされている。天才的な打撃スキルにくわえ、パワーアップした打撃を見せる大谷が「打球が飛ぶ」クアーズ・フィールドで新たな伝説を作るのか。

トレカジャーナル編集部