ジョン・シナの引退試合の相手を決める「ラストタイム・イズ・ナウ・トーナメント」にWWEのレジェンドが次々に復活。「最後の王者」引退へのカウントダウンを盛り上げている。シナの引退試合は12月13日の「サタデーナイツ・メインイベント」（ワシントンDC）で行われる。

16人のスーパースターが参加する「ラストタイム・イズ・ナウ・トーナメント」は抽選で対戦を決定。11月10日に「ロウ」で開幕し、14日の「スマックダウン」（ニューヨーク州オールバニ）では2試合が行われ、「メーンイベント」ジェイ・ウーソがザ・ミズを破り、準々決勝に進出。もう1試合でLAナイトの相手としてザック・ライダーが登場した。

ライダーは現在「マット・カルドナ」のリングネームで他団体「TNA」に所属している。2006年にWWEと契約し、15年間にわたり活躍。インターコンチネンタル、US、「ロウ」タッグ王座などメインタイトルを獲得した。退団後はフリーとなり、米メジャー団体の「AEW」からインディの「GCW」、「NWA」などで戦ってきた。2023年には「DDT」の両国大会にカルドナとして参戦した。

約5年8か月ぶりとなる古巣での試合は、ナイトに必殺技のラフライダーを叩き込んで大奮闘したが、カウンターのパワーボムからBFTを浴びて敗れた。

それでも、翌日には「昨夜が俺にとってどれほど意味があったか言葉では表現できないが…もし試すなら…諦めないで…いつでも準備万端…ありがとう…WOO！WOO！WOO！」と自身のSNSに綴った。

そして、11月17日の「ロウ」（ニューヨーク）での「ラストタイム・イズ・ナウ・トーナメント」は、8月以来の復帰となった「皇帝」グンターが「NXT」の新星、ジェヴォン・エバンスに勝利。2試合目にソロ・シコアとドルフ・ジグラーが対戦した。

ジグラーは現在、WWEとパートナーシップ契約を結ぶ他団体「TNA」のリングに「ニック・ネメス」として立っている。2004年にWWEと契約をかわし、2008年に「ドルフ・ジグラー」となってから頭角を現した。世界ヘビー級王座を2度獲得。高度な受け身とレスリング仕込みのマットさばきで、WWEのスーパースターのひとりとなった。

2023年に退団後、2024年には新日本プロレスに参戦。「ニック・ネメス」としてIWGP　GLOBAL王座を奪った。

約2年ぶりのWWEマットでジグラーは決め技のジグザクからスーパーキックでシコアを追い詰めたが、最後はサモアンスパイクを決められ、沈んだ。

ライダー、ジグラーともに試合当日に発表される「サプライズ枠」で、入場曲がかかるとユニバース（WWEファン）は大歓声で復帰を歓迎した。シナのラストマッチへ団体CCO（最高コンテンツ責任者）のトリプルHの泣かせるシナリオがカウントダウンを盛り上げている。トリプルHは自身のSNSでそれぞれの試合後にツーショットを投稿。ジグラー戦後には「またMS・G（マジソンスクエアガーデン）で最高の瞬間がつくられた。またショーを盗んだ」とした。

TOPPS社のオンデマンドカード「TOPPS NOW」でも、シナの引退試合を盛り上げるように、ライダーとジグラーの限定トレーディングカードを連続して発売。往年のユニバースから、新しいユニバースまで、そして、プロレスカードのコレクターたちを喜ばせた。

Cove（ライター）
元スポーツ紙ライター。国内外のコレクションアイテムを収集して30年あまり。ボブルヘッドのコレクションが自慢で日本唯一のボブルヘッドライター（自称）。最近はトレカだけでなく、米国のリサイクルショップを回り、地元のアマ、プロチームの中古Tシャツ集めにはまっている。