
「ソニー日本女子プロゴルフ選手権」の最終日が9月14日、茨城・大洗ゴルフ倶楽部で行われ、金澤志奈(クレスコ)が、ツアー初優勝を地元・茨城開催のメジャーで飾った。
1打差3位で出て2バーディー、1ボギーの71で回り、通算10アンダーで並んだ桑木志帆(大和ハウス工業)とのプレーオフ(PO)を1ホール目で制した。初Vをメジャーで達成するのは史上14人目。
PO1ホール目は第1打を右に曲げたが、グリーン左手前13ヤードのカラーから第3打を50センチに。寄せてパーセーブ。1メートル強のウィニングパットを決めると両手を突き上げ、師と仰ぐ元世界ランク1位の申ジエ(韓国)と抱擁した。「私も優勝したかったし、ファンのみなさんもずっと待っていたと思うので、その応援に応えることができてうれしく思います。そして申ジエプロに、今までたくさんのことを教えていただいて、ここまで育てていただいて、感謝の気持ちでいっぱいです」

笠間市の、生花店を経営する実家から車で30分の大洗ゴルフ倶楽部は、パー72で今季最長6840ヤード。平均飛距離が全体89位の228.64ヤードの金澤はアプローチをはじめ、小技が光った。「よく知っているコースだったので、うれしい気持ちもあり、難しさも知っているのでドキドキした気持ちがあって。そのなかで集中して4日間プレーすることができました」と振り返った。
15番で桑木に並ばれた。「15番からは難しいホールが続くと思っていたので、なんとかここはボギーで収めようと。桑木志帆さんがいいプレーをしていたので、私も刺激になって、攻めの姿勢を崩さずに最後まで戦えたと思います」と勝利への執念を口にした。

「本当に本当に、うれしい気持ちでいっぱいです。初日からたくさんのギャラリーの方が足を運んでくださって、私が地元ということもあって、本当にたくさんのギャラリーのみなさんの声援のおかげで、73ホールを回りきることができました」と感謝した。
中央学院大時代に同郷の後輩・畑岡奈紗と出場した2015年の国体で団体優勝。同大3年時の2016年には日本女子学生選手権を制した。大学を中退して臨んだ2017年7月のプロテストに一発合格し、同年下部ツアーで1勝もあげた。

好きな花「あじさい」の花言葉のひとつは「辛抱強さ」。通算232戦目とツアー8番目の遅咲きVとなった。プロ9年目の今季は2位が2回、3位が2回だった。「悔しさを晴らせた。地元でメジャー。重なって本当にうれしい」と目を潤ませた。「複数回勝利を今季中にしたい」と次なる目標を掲げた。
エポック社のオンデマンドカード「EPOCH-ONE」では金澤のメモリアル勝利をカード化。9月19日から期間限定で申し込み受付をスタートした。金澤は2023年3月に栄えある初代「PLAY OF THE MONTH」に選ばれ、「エポワン」になったことがある。「PLAY OF THE MONTH」に輝いたのは、「アクサレディスゴルフトーナメント in MIYAZAKI」の最終日17番ホールで記録したイーグルショットだった。JLPGAではそれ以来、毎月、JLPGAツアーで飛び出したスーパープレーの中から最も優れたプレーを、ファンと選手による投票で選出して表彰してきた。

「あじさい」のように、勝利も、トレーディングカードでもたくさんの花を咲かせていく。
Cove(ライター)
元スポーツ紙ライター。国内外のコレクションアイテムを収集して30年あまり。ボブルヘッドのコレクションが自慢で日本唯一のボブルヘッドライター(自称)。最近はトレカだけでなく、米国のリサイクルショップを回り、地元のアマ、プロチームの中古Tシャツ集めにはまっている。



























