MLBホームランダービー2025が7月14日、ブレーブスの本拠地・トゥルイストパーク（米ジョージア州アトランタ）で開催され、カル・ローリー捕手（アトランタ・ブレーブス）が優勝。捕手初、スイッチヒッターでは初のVで賞金100万ドル（約1億4800万円）を獲得した。
今季の前半戦だけでメジャー最多の38本塁打をマークした大本命が栄冠を手にした。1回戦こそ、ブレント・ルーカ―外野手（アスレチックス）と17本で並んだが、小数点以下の飛距離の差で準決勝に進出。左打席でスタートし、休憩時間を挟んで右打者にスイッチ。スイッチヒッターならでは、の体力消耗を分散する作戦が功を奏した。
「ホームランダービーセット」から
1回戦で準決勝では出場8選手のうち、最多の21本を放っただけでなく、飛距離513フィート（約156.4メートル）の一発を放ったオニール・クルーズ外野手と対戦。飛距離513フィートは、2016年以降では他球場と比べて約10％打球が伸びるとされる高地・コロラド開催の2021年を除くと2017年のアーロン・ジャッジ外野手（ニューヨーク・ヤンキース）に並んで最長飛距離。それでも、この強敵を19-13と圧倒した。
決勝は史上最年少優勝を狙ったジュニオール・カミネロ内野手（タンパベイ・レイズ）と対戦。投手役の父、トッド・ローリー・シニアさんの疲労もたまっていたが、リズムよく、スタンドインを連発し18本。1回戦でオニールと並ぶ最多の21本、準決勝ではバクストン外野手に8-7で「サヨナラ勝ち」し休養十分のカミネロだったが、球拾いの青年スタッフが左翼フェンス際の大飛球を「ホームランキャッチ」してしまい、リズムを狂わせたのか、15本に終わった。
「ホームランダービーセット」から「LUCKY HIT」
マリナーズの選手としてはケン・グリフィー外野手以来2人目の優勝となった。「素晴らしいことです。（家族で参加できて）ホームランを１本も打てなくても楽しかったですけど、優勝できて本当に信じられない気持ちです。弟のアドバイスが効果的だった」と捕手を務めた15歳の弟トッド・ローリー・ジュニアさんに感謝した。
全8選手が参加した１回戦、上位4選手によるトーナメント式の準決勝、決勝と最大でひとり3度の対戦に臨んだ。1回戦は3分間、準決勝と決勝は2分間でスタンドに飛び込んだ本数を競い、3アウト（本塁打以外はアウト）まで打つことができるボーナスラウンドでは飛距離425フィート（約129.5メートル）以上の本塁打が出れば4アウトまでに延長された。制限時間とは別に1回戦は40球、準決勝と決勝は27球という球数制限もあり、途中で45秒間のタイムアウトも認められていた。
≪1回戦≫
1)オニール・クルーズ（パイレーツ）＝21本
2)ジュニオール・カミネロ（レイズ）＝21本
3)バイロン・バクストン（ツインズ）＝20本
4)カル・ローリー（マリナーズ）＝17本
5)Ｂ・ルーカー（アスレチックス）＝17本
6)ジェームズ・ウッド（ナショナルズ）＝16本
7)マット・オルソン（ブレーブス）＝15本
8)ジャズ・チゾム・ジュニア（ヤンキース）＝3本
※上位4選手が準決勝進出。同数の場合は最長飛距離で順位決定
「ホームランダービーセット」から
「ホームランダービーセット」から
「ホームランダービーセット」から
≪準決勝≫
●バクストン 7-8 カミネロ○
○ローリー 19-13 クルーズ●
≪決勝≫
○ローリー 18-15 カミネロ●
TOPPS社のオンデマンドカード「TOPPS NOW」では、翌15日のオールスターゲームに匹敵するイベントになった「ホームランダービー」のカードを制作。今年は、ローリーとオニールがシングルで登場。出場全選手が収録された「ホームランダービーセット」も発売された。シングルのローリーは優勝して、トロフィーと、WWEのコーディ・ローデスから受け取ったチャンピオンベルトを持ったシーンがカードになり、抽選であたる「LUCKY HIT」には1 of 1のサインカード、姓名がニックネーム「ビッグ・ダンパー」になったパラレル版も用意された。「ホームランダービーセット」の「LUCKY HIT」には実際にダービーで使用されたボールを裁断して挟み込んだレリックカードが企画された。
「ホームランダービーセット」から「LUCKY HIT」
「ホームランダービーセット」から「LUCKY HIT」
Cove（ライター）
元スポーツ紙ライター。国内外のコレクションアイテムを収集して30年あまり。ボブルヘッドのコレクションが自慢で日本唯一のボブルヘッドライター（自称）。トレカはレギュラカードのコンプリと日本人メジャーが中心。
