
埼玉西武ライオンズは11月5日、高橋光成投手が今オフ、ポスティングシステムを利用して大リーグ移籍を目指す意向を示したことを受け、球団として挑戦を容認すると発表した。今後、ポスティング申請の手続きを開始するとした。
髙橋は2015年にドラフト1位で前橋育英高から埼玉西武に入団。高卒ルーキーながら8試合に先発し5勝2敗、防御率3.07をマーク。2019年に自身初の2ケタ白星となる10勝をあげると、2021年から3年連続2ケタ勝利。11シーズンの通算成績は今季の8勝9敗を含め、通算73勝77敗、防御率3.39だった。タイトルこそなかったが、2023年にはリーグトップの4完投で、先発ローテーション投手としての能力の高さを見せていた。2021年からは3年連続で開幕投手も務めた。

埼玉西武の広池浩司球団本部長は「ドラフト1位で入団し、1年目からこれまで本当によく投げてくれたと思います。ここ2年は本人にとっても納得のいく成績ではなかったかもしれませんが、その間も彼の強い意思は常に受け取っており、今回はその意思を尊重して挑戦を容認することにしました。彼は多くのイニングを任せられる存在であり、しっかりと試合をつくってくれる投手ですので、本音を言えば来季以降もライオンズでプレーして欲しいですが、以前から伝えられていた本人の思いを踏まえ、今年がその挑戦のタイミングであると判断しました」とコメントを発表した。

髙橋自身も「球団にはこの挑戦を後押しいただき、本当に感謝しています。自分の意思を尊重してもらえたことがうれしいです。この決断が間違っていなかったと思えるように、精一杯がんばりたいと思っています。ずっと球団には思いを伝えてきましたし、昔から夢だった場所でもあるので、こうしてチャンスをいただけたことに心から感謝しています」と球団を通じてコメントした。

ライオンズでは、ここ数年、髙橋とともに先発2本柱としてチームを支えてきた今井達也投手もポスティングシステムによるMLB挑戦がウワサされており、今後の球団の動向が注目される。
もちろん、髙橋も今井もポスティングが成立しない可能性も若干ながら残されている。それでも、もし、NPBを代表するふたりの投手が同時にMLB移籍となれば、来年の日本のトレーディングカードのチェックリストから消えることになる。「チームロンゲ」の消滅のピンチである。それはそれで、寂しいことだが、ふたりを応援したい気持ちもある。MLBの新しいカードも見たい。とても複雑な気持ちになる1日になった。

Cove(ライター)
元スポーツ紙ライター。国内外のコレクションアイテムを収集して30年あまり。ボブルヘッドのコレクションが自慢で日本唯一のボブルヘッドライター(自称)。最近はトレカだけでなく、米国のリサイクルショップを回り、地元のアマ、プロチームの中古Tシャツ集めにはまっている。



























