【コラム】2026年のNFLドラフトはどうなる?注目のカレッジクォーターバック7人

米国のカレッジフットボールが開幕して早くも1か月。シーズン前には予想もしなかった出来事が次々と起こっています。たとえば、今季は選手層が最も厚いと見られていたクレムソン大学が、開幕4試合で1勝3敗と大苦戦。早くもプレーオフ進出が厳しい状況です。さらに名門アラバマ大学は、開幕戦で昨季わずか2勝10敗だったフロリダ州立大学に敗れ、全米を驚かせました。
また、全米トッププロスペクトの1人であり、ペイトンとイーライ・マニングの甥でもあるアーチ・マニングが不調。加えて、昨季36TD・6INTという好成績を残したクレムソン大のケイド・クルブニクも、今季は4試合で4INTと評価を下げています。
シーズン前には「2026年のNFLドラフトはQBの豊作」とも言われましたが、10月を迎えようとする今、その見方は揺らぎつつあります。
そこで今回は、9月末時点で来年のドラフト候補となり得る注目の大学QBを7人紹介します。

アーチ・マニング(テキサス大学)

NFLの「マニング家」といえば、スーパーボウル王者のペイトンとイーライ兄弟、そして父のアーチー。一族からの最新の注目株がペイトンの兄のクーパー(大学でフットボールは怪我により引退)の息子であるアーチ・マニングです。高校時代から世代ナンバーワンの評価を受け、テキサス大へ進学。2年間の控えを経て今季ついに先発に。しかし注目の開幕戦、昨季全米王者オハイオ州立大を前に精彩を欠き、その後も調子が上がらず「過大評価」との声も出てきています。シーズン前からすでに来年のドラフトに出場しない可能性も語られていますが、熾烈を極める同地区の大学相手にこれから良いパフォーマンスを見せられるのか。常に全米の視線を集める存在であることに変わりはありません。

ダンテ・ムーア(オレゴン大学)

アーチ世代のトップQBの一人。高校時代は全米3番手評価を受け、UCLAに入学しました。しかし1年目はパス1,610ヤード、成功率53.5%、11TD、9INTと低迷し転校を決断。オレゴン大では昨季バックアップを務め、今季から先発に昇格すると開幕5試合で1,210ヤード、成功率74.6%、14TD、1INTと覚醒。序盤の大一番であるペンシルベニア州立大を退け、高校時代の評価を取り戻し、ハイズマン賞候補にも浮上しています。

フェルナンド・メンドーザ(インディアナ大学)

今季インディアナ大へ転校し、現時点で成功率73%、16TD、1INTと圧巻の成績。ハイズマン賞レースにも名乗りを上げています。昨季まではカリフォルニア大バークレー校所属でそこまで目立った成績はありませんでしたが、一部のスカウトから素質を注目されていた逸材です。ランキング校のイリノイ大戦では成功率91.3%、267ヤード、5TDと大爆発。6フィート5インチ(約198cm)の体格も相まって、ドラフト1巡指名も見えてきました。

タイ・シンプソン(アラバマ大学)

名門アラバマ大学で3年間控えを務めており、今年から先発の座に輝いたのが彼です。前述したフロリダ州立大戦の敗戦で実力を疑問視する声もありましたが、直近のジョージア大戦での勝利とともに評価が急上昇しています。今季はここまで未だインターセプト数が0という安定感でハイズマン賞の候補にも上がっています。先発経験数が少なく、体格も小さめのため、すぐにドラフト1巡指名という雰囲気ではないですが、今季さらに評価を上げそうな選手です。

ラノリス・セラーズ(サウスカロライナ大学)

シーズン前から注目を集めた大型QB。6フィート3インチ(約192cm)、240ポンド(約108kg)の恵まれた体格に加え、強肩・パワー・スピードを兼備し、キャム・ニュートンを思わせます。ミズーリ大戦ではNFL級のパスを連発。成績は芳しくありませんが、順調に成長すればNFLでもスターになれる可能性を秘めています。

ギャレット・ナスマイアー(ルイジアナ州立大学)

ルイジアナ州立大学で3年間控えに甘んじた後、昨季ついに掴んだ先発の座でブレイク。全米5位の4,052ヤードを記録しました。プレッシャー下でも投げ込める強さが持ち味で、NFL向きの資質を感じさせます。一方で判断力の甘さがターンオーバーを招くことも課題。今季はその改善が求められます。ちなみに父は今季からニューオリンズ・セインツのOCです。

ジョン・マティア(オクラホマ大学)

昨季ワシントン州立大で好成績を残し、今季からオクラホマ大へ。開幕4試合目に手を負傷し、約1か月の離脱が見込まれますが、すでにスカウトからも注目を集める実力を示しました。小柄ながら機動力を活かしたプレーが持ち味で、昨季はランで15TD。かつてのカレッジフットボール界のスターQB、ジョニー・マンジールを彷彿とさせるプレーを見せます。NFLでの成功は未知数ですが、見ていてワクワクするような選手になる予感を感じさせます。

カレッジフットボールのシーズンは1月まで続きます。まだ見たことがないという方はぜひ現地放送局がアップしているハイライトをYouTubeで見てください。熱狂的なファンの盛り上がりと、熱の入ったプレーはNFLをも凌ぎます。
次回は、今季のNFLで活躍しているルーキーを幅広くご紹介しますので、ぜひお読みいただければと思います。

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文:Tamago
国内のNFLファンコミュニティでも一目置かれる存在で、特にカレッジフットボールの知識に関しては「日本随一」との呼び声も高く、毎年恒例となっているドラフトビッグボードでは、数百人に及ぶ選手の評価・分析を行い話題となっている。戦術、選手育成、大学文化に至るまで多角的な視点でフットボールを分析し、その的確さには定評がある。
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