今回は、現在J2で2位と自動昇格圏にいるため、17年ぶりのJ1昇格に期待がかかる、ジェフユナイテッド市原・千葉を取り上げる。
とは言え、まだ現在首位である水戸ホーリーホックや、V・ファーレン長崎、徳島ヴォルティス、RB大宮アルディージャ、ベガルタ仙台、ジュビロ磐田との激しい争いが残っている。プレーオフではなく、すんなりJ1昇格を決めてもらいたいと願っているサッカーファンも多い。2009年にJ2に降格以降、J1昇格プレーオフが2012年に導入されたから5度のチャンスがあったが、いずれも敗退して15年も悲願のJ1昇格を果たせないでいる。
前身は、日本サッカー界の名門・古河電工が1993年のJリーグ発足に向け、JR東日本とともに共同出資して千葉県市原市をホームタウンにジェフユナイテッド市原(現在はジェフユナイテッド市原・千葉)としてJリーグ創設時に加盟した”オリジナル10″の一つだ。
古河時代には、日本サッカーリーグ優勝2回、天皇杯優勝4回、JSLカップ優勝3回、アジアクラブ選手権優勝1回と輝かしい戦績を誇り、日本初のプロ選手のFW奥寺康彦選手をはじめ数多くの日本代表選手を輩出した。代表監督として手腕を振るったDF岡田選手もその一人だった。
Jリーグが開幕した1990年は、何と言ってもワールドカップ優勝の経験のある西ドイツ代表のFWピエール・リトバルスキー選手が超スターだった。小柄ながら鋭いドリブルと得点力でファンを魅了した。その他、デビューゴールを飾ったFW城彰二選手、FWオルデネビッツ選手、MFマスロバル選手、DF阪倉裕二選手、MF宮澤ミッシェル選手、MF江尻篤彦選手と好選手が揃った。
2000年代は、2003年にユーゴスラビア代表の元監督だったイビチャ・オシムを招へいして躍進。MF工藤浩平選手、MF阿部勇樹選手、DF中西永輔選手、DF茶野隆行選手、ブルガリア代表のMFイリアン・ストヤノフ選手、FW巻誠一郎選手、さらにオシムチルドレンと呼ばれたMF羽生直剛選手、MF佐藤勇人選手、MF山岸智選手が活躍した。
2010年代は、MF村井慎二選手、FW林丈統選手、FW青木孝太選手、DF大岩一貴選手、MF町田也真人選手、MF井出遥也選手、MF兵働昭弘選手、DF山中亮輔選手、MF熊谷アンドリュー選手、DFイ・ジュヨン選手、DF近藤直也選手、DF下平匠選手、FW佐藤寿人選手、DF安田理大選手など期限付きも含めた補強とチームへ復帰選手など立て直しに多くの選手が入れ替わった。
2020年代に入ってからもチーム状況は変わらずMF田口泰士選手、FW川又堅碁選手、DF米倉恒貴選手、DF新井一輝選手、FW小森飛絢選手と同様に多くの選手の出入りがあった。
しかし、今シーズンは小林慶行監督の2年目としてチームのコンセプトが明確となり、開幕から好スタートを切った。
DF鈴木大輔選手、DF鳥海晃司選手を軸に守りが安定。MF椿直起選手、MF日高大選手、さらにFW田中和樹選手、FW石川大地選手からのサイドアタックで多くのチャンスを作るほか、MF横山暁之選手、MF品田愛斗選手がゲームを作り、FW呉屋大翔選手、カルリーニョス選手、FW林誠道選手、FWデリキ選手などが強力な攻撃力を発揮している。この勢いを維持して是非ともJ1に上がってきてほしい。
古河時代から長くチームを応援するファンと、新しくファンになった層に二分されるだろうが、名門の復活を心待ちにしているのは一丸の願いだと思う。
さて、直筆サインカードの現在の相場を見ると、2001年のJカードで60枚限定サインの佐藤寿人選手(ジェフ千葉の写真)が35,000円で最高額。
続いて村井慎二選手、ストヤノフ選手、林丈統選手、佐藤勇人選手、工藤浩平選手が10,000円前後と高額だ。
呉屋大翔選手、日高大選手、田口泰士選手などは、5,000円前後となっている。
リトバルスキー選手、城彰二選手など90年代のカード自体はあまり見当たらない。ちなみに中西永輔選手は、2,000円で出ている。根気よく探すしかない。
ここに名前をあげた選手以外にも、チームを支え、J1復帰に全力を尽くす選手たちがいる。自分の応援する選手を中心にジェフ千葉のカードをもう一度見直してみるのもいいかもしれない。
文:Chief(ライター)
国内サッカーを中心にトレカの世界を長年に渡って見守って来た元スポーツ雑誌編集者。横浜F・マリノスサポーター。ラグビー、相撲にも造詣が深い。
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