WWEはプレミアムライブイベント(PLE)「レッスルパルーザ」を9月20日、インディアナ州インディアナポリス)で開催。「最強夫婦決定戦」と銘打たれた、CMパンク&AJリー夫妻が世界ヘビー級王者セス・ロリンズ&女子インターコンチネンタル(IC)王者ベッキー・リンチ夫妻に勝利した。
長い間、続いていたCMパンクとロリンズの師弟コンビの因縁の抗争が、ロリンズの妻・ベッキーを巻き込み、さらに、パンクの妻・AJリーの10年ぶりの復帰を呼んだ。ほぼ一方的だった抗争はAJリーの登場で形勢逆転。AJリーの要求で夫婦同士の男女混合マッチが実現した。
AJリーの復帰につてはこちらで書かせていただいた。
「CMパンクの妻・AJリーがまさかの電撃復帰! 10年ぶりのトレカは腹筋バキバキの『TOPPS NOW』! 【コラム/WWE】
男女混合マッチは、異性同士が戦うことができないルール。試合巧者で、心理戦も得意とするセス&ベッキーはそのルールを巧みに使いながら、AJリーの10年ぶりのリングインを許さず、パンクを攻め続けた。
ようやく、リングに立ったAJリーは10年のブランクを感じさせない動きで、引退の原因にもなった首の古傷も感じさせないファイトを見せた。お互いの決め技を連発する「掟破り」で、男女が戦うルール無視の展開に。AJリーがロリンズにブラックウィドウ(変型卍固め)を決めると、ベッキーも負けじとパンクをサソリ固めで締め上げた。さらには夫婦による合体技も披露。「女性には絶対に手を出さない」がモットーだったパンクがベッキーにサソリ固めを決めた。
場外乱闘で、パンクが英語実況席の上でロリンズを抱え上げたところで、隣のスペイン語実況席上からベッキーがAJリーを投げつけ、テーブルクラッシュで3人まとめてKO。ベッキーはAJリーをリングに上げて、フィニッシュを狙った。「マンハンドルスラム」でリングにたたきつけようとした瞬間、AJリーが巧みにベッキーの体に絡みつき、「ブラックウィドウ」で捕獲。スタンディングの関節技が決まって、ベッキーはたまらず、タップした。
10年ぶりのリングで勝利を飾ったAJリーはパンクに抱きついて、熱いキス。試合後に「胸骨が折れるところだった」と明かしたが、その表情は笑顔。「私はこれまで特に若い女性ファンと、精神的な健康の話題でつながろうとずっとやってきた。これは私の人生で最高に意味のあること。私はみんなの物語を引き受け、旅の一部となり、一人じゃないと気づかせるために生まれてきた。私がつらい時にはファンが私が孤独ではないと気づかせてくれた。その絆は非常に強い」と引退後も応援を続けてくれたファンへメッセージを送った。AJリーはすでにWWEと復帰に関して長期契約を結んだ、という話もあり、ベッキーの王座挑戦など、ますます、目が離せなくなった。
TOPPS社のオンデマンドカード「TOPPS NOW」では、「最強夫婦」となったCMパンクとAJリーのツーショットカードを制作。まさに、最強のカードとなった。「レッスルパルーザ」は、米スポーツ専門局「ESPN」による米国内でのPLE独占中継契約の第1弾。「TOPPS NOW」では大きな注目を浴びた「レッスルパルーザ」から、ほかにもイヨ・スカイとのWWE女子世界王者決定戦を制したステファニー・バッケル、ジョン・シナを圧倒的に下したブロック・レスナーのカードの受注もスタートした。
Cove(ライター)
元スポーツ紙ライター。国内外のコレクションアイテムを収集して30年あまり。ボブルヘッドのコレクションが自慢で日本唯一のボブルヘッドライター(自称)。最近はトレカだけでなく、米国のリサイクルショップを回り、地元のアマ、プロチームの中古Tシャツ集めにはまっている。