MLBオールスターゲームが7月15日、アトランタのトゥルイストパークで開催された。6-6の同点で9回を終わり、ホームランダービー「スイングオフ」でナ・リーグが勝利。導入3年目で初めて実施された特別ルールで、3スイングで3本塁打を放ったカイル・シュワーバー外野手（フィラデル・フィリーズ）がMVPに輝いた。通算成績はア・リーグの48勝44敗2分となった。

ファン投票でナ・リーグ最多の3,967,668票を集め、5年連続5度目の出場となった大谷翔平投手（ロサンゼルス・ドジャース）の中前安打をきっかけに、ケテル・マルテ内野手（アリゾナ・ダイヤモンドバックス）の右翼線への2点適時二塁打でナ・リーグが先制した。

ナ・リーグは6回にはピート・アロンソ内野手（ニューヨーク・メッツ）が3ラン、コービン・キャロル外野手（アリゾナ・ダイヤモンドバックス）がソロを放って突き放した。

ア・リーグは7回にブレント・ルーカー外野手（アスレチックス）が3ランを放つなど4点をあげ反撃。9回にはボビー・ウィット・ジュニア内野手（カンザスシティ・ロイヤルズ）の適時二塁打、さらに、2死三塁でスティーブ・クワン外野手（クリーブランド・ガーディアンズ）が三塁へ適時内野安打を放って追いついた。

マウンドでは史上初の新人から２年連続先発出場を果たしたナ・リーグのポール・スキーンズ投手（ピッツバーグ・パイレーツ）が最速100.4マイル（約161.6キロ）を計測して2三振を奪い、1回を無安打無失点。8回にはルーキーのジェイコブ・ミジオロウスキー（ミルウォーキー・ブルワーズ）が登板し、1回1安打無失点。スキーンズを上回る最速102.3マイル（約164.6キロ）を記録するなど「怪物」対決で球場が沸いた。

初めて実施された「スイングオフ」は両軍3人が交互に3スイングし、本塁打の多いチームが勝利する、という球宴の特別ルール。ア・リーグの1人目ルッカーが2本を放ち、ナ・リーグの1人目カイル・ストワーズ外野手（マイアミ・マーリンズ）は1本のスタンドイン。

ア・リーグの2人目ランディ・アロザレーナ外野手（マリナーズ）が1本塁打を放つと、ナ・リーグ2人目のシュワーバーが1-3のビハインドから3スイングすべてをスタンドに打ち込み、4-3と逆転。

ア・リーグは3人目ジョナサン・アランダ内野手（タンパベイ・レイズ）が0本に終わり、ナ・リーグ3人目のアロンソが打席に立つことなく、ナ・リーグの勝利が決まった。アランダがノーアーチに終わると、ベンチ前でレギュラーシーズンではライバルであるスター選手たちに抱えられたシュワーバー。「MVPにもっとふさわしい選手はたくさんいる。ナ・リーグの勝利に貢献できてうれしいし、この賞をフィラデルフィアに持ち帰ることができてハッピーだ」と話した。

試合では大谷に代わり「1番・DH」として途中出場。5回の第１打席で中飛、7回の第２打席は四球、9回の第３打席は三直に終わっていた。「9回の打席でバットが折れたから、新しいバットを持って順番を待っていた」と話した。2018年と22年に出場した。「（球宴前日のホームランダービーとは）明らかに違う。2本打って（3人目の）アロンソに回そうと思っていた。3本目はベストショットではなかったけど、十分（スタンドに）届くと思った。最高の気分だった」と笑顔を見せた。

TOPPS社のオンデマンドカード「TOPPS NOW」ではオールスターゲームのカードを「スイングオフ」までカード化。「LUCKY HIT」は「スイングオフ」でのシュワーバーの、試合で使われたベースを裁断して挟み込んだレリックカード、スキーンズのサインカードとなった。

また、ハンク・アーロン外野手がアトランタ・ブレーブス時代に放った715本塁打を讃えたセレモニーも貴重なカードになった。

Cove（ライター）
元スポーツ紙ライター。国内外のコレクションアイテムを収集して30年あまり。ボブルヘッドのコレクションが自慢で日本唯一のボブルヘッドライター（自称）。トレカはレギュラカードのコンプリと日本人メジャーが中心。