オクラホマシティ・サンダー(以下OKC)が2024-25シーズンを有終の美で飾った。チームがシアトル・ソニックスから現在のOKCに移行して以来、2012年にファイナルズへの到達が最高到達点となっていたが、優勝には足りなかった。そこから13年、自前のドラフトピックで育ててきた若手を中心に、念願の優勝を手にした。ソニックス時代の1979年以来の優勝である。
OKCの2024-25NBA優勝シーズンを彩った主要メンバーをここで今一度振り返っていきたい。
Jalen Williams(ジェイレン・ウィリアムズ)
2022年のドラフト全体指名12位でOKCに加入したフォワード。堅実なディフェンスと非常に高い効率のシューティングにより、2ウェイプレイヤー(オフェンスでもディフェンスでも脅威となる選手)の代表となった2024-25シーズン。オールディフェンシブチーム2ndチーム、オールNBAでは3rdチームに選ばれるなど、毎年一握りの選手しか手に出来ない栄誉に選ばれている。今年のプレーオフでも1試合平均21.3得点など、チームには欠かせない存在だったのは間違いない。その評価はカードにも表れており、5月にジェイレンのカードの最高額となる28,800ドル(約410万円)でカードが取引されている。
Chet Holmgren(チェット・ホルムグレン)
ジェイレンと同じく2022年のドラフトで全体2位指名でOKCに加入。怪我により一年目では一試合にも出場せず、事実上2023-24シーズンがプレー一年目となった。プレーオフでも平均15.2得点、8.7リバウンドと、手足の長さと身長を利用したOKCの若き巨人としてチームの優勝に貢献した。全体第2位指名とこれからの期待も込められており、5月に彼のカードが34,800ドル(約500万円)でオークションにて落札されている。
Lugentz Dort(ルゲンツ・ドート)
2019年にドラフトされず、フリーエージェントとしてOKCに加入。点取り屋ではないものの、絶対的なディフェンスの評価により2024-25シーズンオールディフェンシブ1stチームに選出されている。ドラフト外からチームへの優勝に大きく貢献したアメリカンドリームの体現者の一人。ディフェンス型の選手は評価されにくいものの、逆にカードは手に入りやすく、まだまだ過小評価されている今のうちに集めるのも悪くない。
Alex Caruso(アレックス・カルーソ)
2020年にロサンゼルス・レイカーズで優勝を経験し、シカゴ・ブルズで3年プレーした後、OKCにジョシュ・ギディーとのトレードで加入。アレックスもディフェンスと優勝経験でチームを優勝にけん引したベテランの一人だ。実はレイカーズ時代のビッグなプレーの数々から根強いファンが存在し、カードもお手頃だが見つけにくい選手の一人となっている。
Isaiah Hartenstein(アイザイア・ハーテンシュタイン)
2024年のオフにチェットと共に、もう一枚のビッグマンとしてOKCに加入。堅実な点取りとリバウンド、シーズン平均も10得点10リバウンド以上のダブルダブルを記録しており、ゴール下の攻守ともに必要不可欠な存在だった。OKCに加入する前のニューヨーク・ニックス時代から徐々に評価されていた選手で、優勝を経験し、これから評価が上昇するにつれカードの値段も上がる可能性がある。
Shai Gilgeous-Alexander(シェイ・ギルジャス=アレクサンダー)
2024-25シーズンMVP、ファイナルズMVPに輝きチームを優勝に導いたOKCの中核となる存在。プレーオフでも平均29.9得点、5.3リバウンド、6.5アシストを記録。一年を通してまさにMVPの働きを見せ、すでに来年も期待がかかっている。5月にカードが180,000ドル(約2,600万円)で落札されており、これからも多くのカードが高値で落札されるだろう。
若いプレイヤー中心のOKCが優勝の方程式を証明したことにより、これから多くのチームが似た道程を辿ることが予想される。
その中でSGAのような、磨き続けて光り輝く選手がこれからも現れることに期待がかかる。
文:蛭子(ミント新宿店 副店長)
MLB・NBA・NFL、その他数々のアメリカンスポーツを愛する生粋のボストンっ子。
現地観戦やファンベースでの経験を活かし、豊富な知識とともに、スポーツへの熱い思いを店舗でも日々発信中。