【コラム】スポーツ記念日ファイル:6月5日─ラファエル・ナダル、全仏初制覇

2005年6月5日。パリのスタッド・ローラン・ギャロスで行われた全仏オープン男子シングルス決勝に、ひとりの若者が立っていた。
スペイン出身のラファエル・ナダル
この日、彼は全仏初出場ながら制覇を成し遂げ、当時のテニス界に衝撃を与えた。

©Goldin Auctions. All rights reserved.

当時のナダルはまだ19歳。
だがすでにクレーコートでの実力は注目され始めており、直前のモンテカルロやローマなど主要大会を次々と制していた。
全仏に初出場しながら第4シードを獲得していたことかから、そのポテンシャルの高さを物語っている。

とはいえ、グランドスラムという舞台は別格である。
ベスト4に名を連ねるだけでも至難の舞台で、若い選手が一気に駆け上がるのは簡単ではない。
だがナダルは、準々決勝でダビド・フェレール、準決勝で当時世界1位のロジャー・フェデラーを破るなど、驚異的な集中力とスタミナで勝ち上がった。

決勝戦の相手はアルゼンチンのマリアノ・プエルタ
ナダルは第1セットを落としながらも、そこから一気に巻き返し、3-1の逆転勝利を収めた。
これにより、ナダルは1982年以来の「全仏初出場での優勝」という快挙を達成。ピート・サンプラス以来となる10代での「グランドスラム王者」の称号も手にした。

当時の男子テニス界は、フェデラーの時代が幕を開けたばかり。
洗練されたプレースタイルと圧倒的な安定感でツアーを支配しつつあったフェデラーに、どこまで対抗できる選手が現れるのか。
そんな空気の中、現れたのがナダルだった。

そのプレースタイルはフェデラーとは真逆と言っていい。左利きから繰り出される重く跳ねるスピンボール、執拗に拾い続ける守備力、試合を通じて一度も途切れない闘志。
力強く拳を握るガッツポーズとともに、ナダルはファンの心をつかんでいった。

2005年の全仏優勝は、ナダルにとって単なる「初タイトル」にとどまらなかった。
その後のキャリアでナダルは、全仏だけで通算14回もの優勝を成し遂げ、クレー・キングの名をほしいままにすることになる。
通算22回のグランドスラム優勝、2008年・2016年の金メダル、5回のデビスカップ制覇など、数えきれない栄光の歴史が、あの日の優勝を起点に築かれていった。
そのなかでも、多くのファンにとって最も記憶に残るのは、あの19歳のとき、全仏初戴冠ではないだろうかと思う。

 

そんな、ナダルは多くのトレーディングカードにも登場している。
「テニス選手のトレーディングカードが出ていることを知らなかった」という方も多いと思うが、2005年当時に発行されたルーキーカードや、初優勝記念カード、サイン入りのスペシャルなカードなど様々なカードが発行されてきた。
そのなかでも、彼のRC(ルーキーカード)は近年再評価が進み、国内外のオークションでも高値を記録することがある。
例えば、2023年にはPSA10のものが6,600ドル(約950,000円)で落札されている。

©Goldin Auctions. All rights reserved.

カードに写るナダルの姿に、あの赤土での躍動を重ねてみると、時代を作った偉大な選手の魅力をあらためて感じることができるはずだ。
あなたのコレクションにも、ぜひ加えてみてはいかがだろうか。

 

 

文:伊藤航(株式会社ミント)

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