大相撲夏場所13日目が5月23日、東京・国技館で行われ、大関・大の里泰輝(二所ノ関部屋)が琴桜との大関対決に勝利。初日から13連勝とし、2場所連続となる4度目の優勝を決めた。番付編成を担う日本相撲協会審判部は今場所を「綱取り場所」と位置付けており、場所後の横綱昇進を確実にした。
年6場所制となった1958年以降、大関として2場所連続で優勝して横綱に昇進しなかった例はない。相撲協会が28日に大の里の昇進をはかる臨時理事会を開き、承認されれば「第75代横綱・大の里」の誕生となる。昇進すれば今年1月の初場所後の豊昇龍以来。日本出身横綱は、大の里の師匠である72代横綱稀勢の里(二所ノ関親方)以来となる。
大の里は日体大で2年続けてアマチュア横綱に輝き、二所ノ関部屋に入門。23年夏場所で幕下10枚目格付け出しでデビューし、同年秋場所で新十両。24年初場所で新入幕。同年夏場所で史上最速となる初土俵から所要7場所での初優勝を遂げ、同年九州場所で新大関に。初土俵から所要13場所での横綱昇進は、年6場所制以降では、54代横綱輪島の21場所を更新する「スピード出世」になる。
「勝ったら優勝、は考えすぎてもよくないし、場所も終わっていないので、13日目のこの一番に集中していた。こんなに早く決まるのは予想していなかったのでうれしい。落ち着いてのびのびと何も考えることなく思い切りいけたのでよかった」と支度部屋で話した。横綱昇進については「まだ場所が終わっていないので残り2日間を頑張って、また場所後にいい報告が聞けるよう頑張りたい」と表情を緩めることはなかった。
その「スピード出世」ぶりはトレーディングカードでもよくわかる。大相撲のトレカといえばBBM「大相撲カード」だが、昨年3月に発売された「2024 BBM 大相撲カード 響」では、大の里はまだ、まげを結っていない初々しい姿がカードになっている。昨年11月発売の「BBM 2025 大相撲カード」では大関昇進が決まり、笑顔を見せる様子がカードになったばかり。今年3月の「BBM 2025 大相撲カード 和(なごみ)」では、人気インサート「TREASURE」にもノミネートされた。
次回のBBM「大相撲カード」には横綱としてカードが封入されることになる。
Cove(ライター)
元スポーツ紙ライター。国内外のコレクションアイテムを収集して30年あまり。ボブルヘッドのコレクションが自慢で日本唯一のボブルヘッドライター(自称)。トレカはレギュラカードのコンプリと日本人メジャーが中心。