元日本代表MFの遠藤保仁が1月9日、現役引退を決めた。J1のジュビロ磐田が発表した。今季からガンバ大阪のトップチームコーチに就任する。
「26年間という本当に長い、充実した最高のサッカー人生を送れた。自分がここまで長くやるとは思っていませんでした」43歳の遠藤はマネジメント事務所の公式SNSで話した。
遠藤は鹿児島実高から1998年に横浜フリューゲルス(当時)入りし、京都を経てG大阪で活躍。2005、14年のJ1優勝や08年のアジア・チャンピオンズリーグ(ACL)制覇に貢献した。J1での672試合出場は史上最多。20年途中から磐田に移り、22年はJ2でプレー。昨季は精神的支柱としても、磐田のJ1昇格にチームを支えた。
日本代表でも歴代最多の152試合出場の記録を持つ。ワールドカップ(W杯)は2006年ドイツ大会から3大会連続でメンバー入り。10年南アフリカ大会で直接FKを決めるなど存在感を見せた。
「経験を積んで、必ずいい指導者になりたいという目標を持ち、毎日モチベーションを高く、何より楽しく過ごして行けたらいいと思っています」と古巣のG大阪でのコーチ就任への抱負も口にした。「日々楽しくが、僕のサッカー人生のモットーだったので、コーチになってもその気持ちを忘れずに。日本サッカー界のため、G大阪のために働いて、一人でもいい選手を送り出していければ」と続けた。
引退会見や個別取材などの報道対応は当面ないことも発表された。「しゃべっている今もオフまっただ中。本来なら記者会見などを開かないといけないのかなと思っていたが、会見で真面目に語るものも僕らしくないと思う。なんといってもオフはオフ。オフを満喫したいので、会見を開くことはしませんでした」と異例の対応について自ら説明した。
最後は「皆さん、声援、ブーイング、ヤジ、すべてありがとうございました。本当に楽しいサッカー人生でした、では皆さんどこかでお会いしましょう。バイバーイ!」と手を振った。
遠藤らしい「お別れ」だったが、遠藤の雄姿はこれまで発行されてきた数多くのトレーディングカードで観ることができる。ファン、カードコレクターの胸を熱くしたJ1での672試合、日本代表での152試合に思いを馳せよう。遠藤に並ぶほどの多くのトレカになるどんな若手選手をこれから育成していくのか、も楽しみだ。
Cove(ライター)
元スポーツ紙ライター。国内外のコレクションアイテムを収集して30年あまり。バブルヘッドのコレクションが自慢で日本唯一のボブルヘッドライター(自称)。トレカはレギュラカードのコンプリと日本人メジャーが中心。