【コラム】日本最速!2027年NFLドラフトで注目したいカレッジフットボール7選手

現在、アメリカ・カナダ・メキシコの3か国でFIFAワールドカップ2026が開催されています。今大会から出場国は過去最多の48か国に拡大。日本代表の試合はもちろん、連日の好カードを追いかけて寝不足になっている人も多いのではないでしょうか。北米全体がスポーツの熱気に包まれる、特別な1か月になっています。
ただ、6月の日本で注目したい海外スポーツの話題はサッカーだけではありません。6月27日(土)には、全米屈指の名門校であるオレゴン大学のダン・ラニングHC将来のドラフト1巡候補の主力選手たちが来日し、「Tokyo Oregon Football Showcase」が開催されます。参加選手には、今回紹介するQBのダンテ・ムーアも含まれています。日本の選手、コーチに向けたクリニックが予定されており、一般観覧もできるようなのでぜひ注目してみてください。

さて、前回の記事の最後に予告した通り、今回は2027年のNFLドラフト候補を紹介します。2027年のドラフトまではまだ10か月ほどありますが、すでに全体1位候補や、近年でも屈指の才能と評価されている選手が揃っています。今のうちに覚えておきたい7人です。

ジェレマイア・スミス(WR・オハイオ州立大学)

2027年のドラフト候補を語るうえで、最初に名前が挙がる選手です。大学1年目の2024年から76キャッチ、1,315ヤード、15TDを記録し、オハイオ州立大学の全米制覇に大きく貢献しました。翌2025年も87キャッチ、1,243ヤード、12TD。大学最初の2年間で2,558ヤード、27TDという、非常に素晴らしい成績を残しています。
彼の特徴は191cm・101kgという恵まれた体格と、スピード、ジャンプ力、キャッチ力のすべてを兼ね備えていること。フィールド上の雰囲気はすでにNFLのトップ選手で、競り合いに強いだけでなく、ルートランも滑らかで、キャッチ後にはDBを振り切れる爆発力もあります。通常、ドラフト全体1位はQBになることが多いですが、スミスはWRながら全体1位も十分に狙える存在です。今後、怪我や不祥事さえなければトップ3指名はほぼ間違いないでしょう。

ダンテ・ムーア(QB・オレゴン大学)

6月に来日するオレゴン大学のエースQBです。高校時代から全米トップクラスのQBとして注目され、2023年にUCLAへ進学。1年目から5試合で先発しましたが、期待外れの成績で控えへ降格。翌年にオレゴン大学へ転校し、2024年は現クリーブランド・ブラウンズディロン・ゲイブリエルの控えとして1年間プレーを学びました。
満を持して再度先発となった2025年は、パス成功率71.8%、3,565ヤード、30TD、10INTを記録し、チームをプレーオフ準決勝まで導きました。2026年ドラフトに出ていれば上位指名が濃厚と見られていましたが、大学に残ることを決断。強肩だけでなく、ポケット内での落ち着きやパスの正確性も魅力です。今季さらに判断力を磨けば、2027年ドラフトのQB1、そして全体1位も見えてきます

ディラン・スチュワート(EDGE・サウスカロライナ大学)

1歩目の速さが魅力のパスラッシャーです。大学1年目の2024年から10.5TFL・6.5サック・3ファンブルフォースを記録し、Freshman All-Americanに選出されました。2025年も11試合で12TFL、4.5サック、3ファンブルフォースを記録。2年間で22.5TFLと、鋭い出足を活かして相手のバックフィールドへ侵入しています。
196cm・111kgのサイズがありながら、スピードと体のしなやかさはWRのようです。OTの外側を一気に駆け抜けるだけでなく、長い腕を使ってOTを押し込めるのも強み。2025年はサック数こそ少し落ちましたが、相手オフェンスから常に警戒される存在でした。今季、数字をもう一段伸ばせれば、ディフェンス選手で最初に指名される可能性があります。

レナード・ムーア(CB・ノートルダム大学)

すでに大学ナンバーワンCBと呼べるほど完成度の高い選手です。1年目の2024年から10試合に先発し、48タックル、2INT、11PBを記録。2025年は10試合で5INT、7PBを挙げ、満場一致のAll-Americanにも選出されています。
188cmの長身と長い腕を生かし、相手WRにぴたりとついていけるマンカバーが最大の武器です。ボールが投げられてからの反応も速く、2025年にはインターセプトリターンTDも記録しました。CBは大学からNFLへの適応が難しいポジションですが、ムーアは1年目からエースを任せられる可能性を持っています。現時点ではトップ10指名が有力です。

ニック・ハーバー(WR・サウスカロライナ大学)

来年のドラフトで最もフリークな選手といえば確実にニック・ハーバーになるでしょう。196cm・110kgというEDGEのような体格を持ちながら、陸上の100mでは脅威的な10.11200mでは20.20を記録。日本ならば陸上日本代表も狙えるスピードです。このサイズとスピードの組み合わせは、NFLを見渡しても例がありません
高校時代はTEとDEの両方で活躍していましたが、大学ではWRに専念。2025年は30キャッチ、618ヤード、6TDと自己最高の成績を残し、1キャッチ平均は20.6ヤードでした。まだルートランや細かな技術には伸びしろがあるものの、完成したときの姿を想像したくなる選手です。今季1,000ヤード級の成績を残せば、1巡指名へ一気に駆け上がる可能性があります。

コリン・シモンズ(EDGE・テキサス大学)

スチュワートと並び、2027年ドラフトのトップEDGE候補です。True Freshman(編注:レッドシャツではなく、入学1年目から公式戦の試合に出場する選手のこと)の2024年に9サックを記録して、EDGEとしてウィル・アンダーソン・ジュニア以来となる全米最優秀フレッシュマンに選出。2025年はさらに成績を伸ばし、SECトップの12サックを挙げました。193cm、111kgとEDGEとしては特別大柄ではありませんが、爆発的な加速と低い姿勢でOTの外側を回り込む動きは全米トップクラスです。スチュワートが将来性を感じさせるタイプなら、シモンズはすでに数字で証明しているタイプ。ラン守備も含めて完成度を上げれば、トップ5指名も十分に考えられます。

ドリュー・メステメーカー(QB・オクラホマ州立大学)

以前の記事でも紹介した選手ですが、やはりここでも取り上げましょう。珍しい経歴を持つ選手で、高校1年生のときにQBで先発して以来、2年前のボウルゲームまで試合での先発経験が全くなかった選手です。その最初の先発試合でパス393ヤードを投げ、試合は惜しくも敗れましたが才能の片鱗を見せました。昨季はパス4,379ヤード全米1位となる、34TD・9INTを記録し、ウォークオン出身の最優秀選手に贈られるバールスワース・トロフィーを受賞。今季からは、恩師のエリック・モリスHCとともにオクラホマ州立大学へ移りました。今季は上位カンファレンスのため、相手のレベルが一段上がりますが、ここでも同じような成績を残せれば1巡候補に入ってくるでしょう。ほぼ無名だった高校生がNFLドラフト上位候補まで上り詰める、夢のあるストーリーです

2027年のドラフトは、今回紹介できなかった選手も含めて、豊作の年になる可能性があります。もちろん、シーズン開幕前の評価がそのままドラフトまで続くとは限りません。怪我や成績によって順位が大きく入れ替わるのも、カレッジフットボールの面白さです。1年後にトレカを手に取る頃には、どの選手がドラフトの主役になっているのか。今から非常に楽しみです。

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文:Tamago

国内のNFLファンコミュニティでも一目置かれる存在で、特にカレッジフットボールの知識に関しては「日本随一」との呼び声も高く、毎年恒例となっているドラフトビッグボードでは、数百人に及ぶ選手の評価・分析を行い話題となっている。戦術、選手育成、大学文化に至るまで多角的な視点でフットボールを分析し、その的確さには定評がある。
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