日本時間の4月24日(金)から、アメリカ・ペンシルバニア州ピッツバーグで2026年のNFLドラフトが開催され、3日間で257人の選手が指名されました。
NFLではドラフトも超巨大イベントです。ESPNによると、初日の1巡指名だけで32万人のファンが来場。テレビ・配信を含む視聴者数は1,320万人と、信じられない規模のコンテンツとなっています。
今年のトップ10は、QB・EDGE・WR・OTに加えて、RBやLBも上位に入り、近年のドラフトから見てもかなり個性のある顔ぶれとなりました。
今回は指名されたトップ10までの選手をご紹介します。
1位:フェルナンド・メンドーサ(QB・インディアナ大学)ラスベガス・レイダース

今年のドラフトで最も順当な指名でした。全米優勝とハイズマン賞を引っ提げてのNFL入りは、現ベンガルズのジョー・バロウ以来です。メンドーサは、まさに2025年のカレッジフットボールを代表する選手。カレッジナンバーワンQBという文句なしの肩書きでNFL入りを果たしました。そんな彼でも、昨年のこの時期に全体1位を予想していた人はほとんどいませんでした。1巡予想ですら少なかったと考えると、大学生の評価は1年で大きく変わるものです。ちなみに、トレカ的な観点では、すでにBowman Chrome Universityに収録済み。発売当時に引き当てた方はかなりラッキーでしょう。価格もすでに大きく高騰しています。
2位:デビッド・ベイリー(EDGE・テキサス工科大学) ニューヨーク・ジェッツ

14.5サックを記録し、昨季のFBSサック王であるデビッド・ベイリーが、全体2位でジェッツから指名されました。12月の記事でも紹介した選手ですが、身体能力・テクニックともに抜群で、トップクラスのパスラッシュ能力を持ちながら、40ヤード走では4.50を記録。EDGEとしてトップの成績を残しました。NFLを代表するパスラッシャーになる素質を備えた選手です。トレカは引き続きTopps Nowを除けば未収録で、今後のデビューが楽しみです。
3位:ジェレマイア・ラブ(RB・ノートルダム大学) アリゾナ・カージナルス

全体3位で誰が指名されるのかは意見が割れていましたが、カージナルスが指名したのはノートルダム大学のジェレマイア・ラブでした。1巡3位以内でのRB指名は、現イーグルスのセイクオン・バークリーが全体2位で指名された2018年以来となり、8年ぶりです。過去の記事でも既に2回取り上げているので多くは語りませんが、NFLを代表するRBになる素質を備えているのは明らかです。近年のNFLでは、RBに上位指名権を使うのは、よほどチームの戦力が整っていない限り推奨されにくい動きです。それでも、プロスペクトとしての質だけを見れば、確実にその価値がある選手だと言えます。なお、1巡32位ではシーホークスがラブのチームメイトである、RBジャダリアン・プライスを指名。2008年以来18年ぶりに、同じ大学のRBが1巡で2人指名されました。
4位:カーネル・テイト(WR・オハイオ州立大学) テネシー・タイタンズ

今年のドラフトで最初のサプライズとなったのが、テイトの4位指名です。ドラフト前はタイタンズがジェレマイア・ラブや、オハイオ州立大学のソニー・スタイルズを指名する予想が多い中、選択したのは今年のドラフトのナンバーワンWR候補にも挙げられていたカーネル・テイトでした。オハイオ州立大学は、近年素晴らしいWRを輩出する大学でもあり、昨季のオフェンス部門の年間最優秀賞では、同大学出身のWRジャクソン・スミス・インジグバが受賞。今回のドラフトまで、4年連続でオハイオ州率大学のWRが1巡指名され続けています。テイトは派手さこそないものの、レシーブやルートランが非常にうまく、NFLにも早い段階でフィットできる能力を持っています。タイタンズは昨年、全体1位でQBキャム・ワードを指名しており、1巡コンビによるホットラインが楽しみです。
5位:アーベル・リース(LB・オハイオ州立大学) ニューヨーク・ジャイアンツ

ジャイアンツが獲得したのは、オハイオ州立大学で今季一気に評価を上げたアーベル・リースです。ジャイアンツのレジェンドであるローレンス・テイラーを彷彿とさせる雰囲気を持ち、ハマれば超一流になれる一方、うまく活かせるかは分からない、典型的なブームorバストの選手です。ポジションはLBですが、EDGEとしても力強くスピーディーなパスラッシュを見せるため、ドラフト前にはEDGEとしてトッププロスペクトと評価していた専門家もいます。LBとして使うのか、EDGEとして使うのか。彼がどのポジションに収まるのか注目です。
6位:マンスール・ディレイン(CB・ルイジアナ州立大学) カンザスシティ・チーフス

DB最初の指名は、オハイオ州立大学のケイレブ・ダウンズになると予想される中、全体9位の指名権を持っていたチーフスがトレードアップして指名したのがマンスール・ディレインでした。今年のトップCB大本命で、ルイジアナ州立大学では11試合で2INT、11PDを記録。パスを許さないシャットダウンコーナーとして活躍しました。DBを多く輩出することで知られる、いわゆるDBUのルイジアナ州立大学からは、現テキサンズのデレク・スティングリー・ジュニア以来のDB1巡指名となります。チーフスではエースCBのトレント・マクダフィが抜け、1年目からエースとしての活躍が期待されています。
7位:ソニー・スタイルズ(LB・オハイオ州立大学) ワシントン・コマンダーズ

ここでもオハイオ州立大学からの指名となりました。全体7位でコマンダーズが指名したのはソニー・スタイルズです。もともとはSからLBに転向した選手ですが、LB史上最高クラスの身体能力を持っている上に、196cm、111kgというサイズも特別です。”ユニコーン”と呼べるような、比較対象を見つけにくい存在となっています。ちなみに、兄もドラフト候補で、コンバインでは40ヤード走を4.27というとんでもないタイムで走り、見事5巡でセインツから指名を受けています。
8位:ジョーダン・タイソン(WR・アリゾナ州立大学) ニューオリンズ・セインツ

今季のナンバーワンWRとの呼び声も高かった選手です。結果的にはWRで2番目の指名となりましたが、試合に出場したときの爆発力は格別です。一方で、怪我が多い選手でもあり、NFLのプレー強度に耐えられるかは疑問視されています。今季も怪我により9試合の出場にとどまりましたが、6試合でTDを記録するなど、出場できれば高い確率で結果を残す選手です。
9位: スペンサー・ファノ(OT・ユタ大学) クリーブラウンド・ブラウズ
The @Browns make Spencer Fano the 9th overall pick!
2026 NFL Draft starts on NFLN/ESPN/ABC
Stream on @NFLPlus pic.twitter.com/DqISwZInFI— NFL (@NFL) April 24, 2026
今ドラフトで最初に指名されたOTは、ユタ大学のRT、スペンサー・ファノでした。4人の叔父がNFL選手という素晴らしい血筋を持っており、兄のローガン・ファノも弟と同じブラウンズとドラフト外FAとして契約しました。昨季は、ベストラインマンに贈られるアウトランド・トロフィーを受賞。同期のOLの中でもトップクラスの身体能力を持ち、左右両方のタックルをプレーできる器用さもあります。
10位:フランシス・マウイゴア(OT・マイアミ大学) ニューヨーク・ジャイアンツ

ジャイアンツはドラフト直前に、エースDTのデクスター・ローレンスをシンシナティ・ベンガルズへトレード。そこで得た指名権で指名したのが、ナンバーワンOTとの呼び声も高かった、マイアミ大学のフランシス・マウイゴアでした。高校時代からトップ評価のOTとして注目を集め、大学1年時から活躍していた選手です。ファノと比較すると、RTのみの経験であることや、身体能力がやや低めと見られた点が響いたのか、OT最初の指名にはなりませんでした。とはいえ、プロではRT、もしくはGとしても十分活躍できる才能を持っています。ファノとマウイゴアが、今後10年を代表するOLになっても不思議ではないでしょう。
今回の記事では、NFLドラフトのトップ10指名選手を紹介しました。トップ10だけでも、今年のドラフトの個性がよく出ていたと言えます。
次回の記事では、ドラフト1巡目からドラフト外まで各ラウンドの注目選手をご紹介します。
文:Tamago
国内のNFLファンコミュニティでも一目置かれる存在で、特にカレッジフットボールの知識に関しては「日本随一」との呼び声も高く、毎年恒例となっているドラフトビッグボードでは、数百人に及ぶ選手の評価・分析を行い話題となっている。戦術、選手育成、大学文化に至るまで多角的な視点でフットボールを分析し、その的確さには定評がある。
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