「大東建託・いい部屋ネットレディス」の最終日が7月27日、ザ・クイーンズヒルゴルフ倶楽部で行われ、渡邉彩香(大東建託)が1イーグル、6バーディー、ボギーなしの64で回り、通算17アンダー。3年2カ月ぶりとなる2022年5月の「ほけんの窓口レディス」以来、JLPGAツアー6勝目をマークした。
朗報はクラブハウスに届けられた。ホステスプロとしての優勝。「今年は10回目の記念大会で契約10年目の節目の年でした。どうしても優勝したかった。こうやって最高の形で恩返しすることができて選手としてうれしく思います。いい時も悪い時も変わらず応援してくださった方々が喜んでくださる姿がうれしいし、選手として本当に幸せです」優勝インタビューでも涙で声を詰まらせた。
首位と2打差7位から出て1番でバーディー発進。6番では残り219ヤードからの第2打を5番アイアンで放ち、2オンに成功。約17メートルを沈めてイーグルを奪った。前半だけでスコアを3つ伸ばした。13番でミドルパットを沈めてバーディー。鶴岡果恋に追いつかれたが、17、18番の連続バーディーで勝負を決した。必死の表情でプレーし続け、気合から自然と何度もガッツポーズが出た。
得意の1番ウッド(ドライバー)が3日目まで不調だった。逆転優勝のため「ビッグスコアを出さないといけない。セカンドショットが良かったので、とにかくバーディーチャンスを多く作りたかった」」と飛距離を捨て3番ウッド(スプーン)の安定性を選んだ。イーグルの6番も含めスコアを伸ばしたホールはすべて、3番ウッドを握り、結果を出した。
2022年に勝った後、シード落ちも経験し、進退に悩んだこともある31歳。「今までの5勝は自信満々で勝った。今週は自信がなかったけど、できることをやり続けた。今までの自分にはない勝ち方。これからに生きてくる」と話した。「ずっと(国内)メジャーで勝ちたいなと思っていた。考えてみようかな、という気持ちになってきた」プレー中の厳しい表情、ガッツポーズとは対照的に控え目に口にした。
エポック社のオンデマンドカード「EPOCH-ONE」では渡邉の3年2か月ぶりの優勝カードの受注をスタート。表面は小さく握った右のこぶしから渡邉の勝利への執念が伝わってくる写真が使われた。そして、トロフィーを手に微笑む裏面。記念すべきこの日をよく表した、思い出の1枚になった。
Cove(ライター)
元スポーツ紙ライター。国内外のコレクションアイテムを収集して30年あまり。ボブルヘッドのコレクションが自慢で日本唯一のボブルヘッドライター(自称)。トレカはレギュラカードのコンプリと日本人メジャーが中心。