「ニチレイ・レディス」の最終日が6月22日、袖ケ浦カンツリークラブ・新袖コースで行われ、入谷響(加賀電子)が4バーディー、4ボギーの72で回り、通算12アンダーとし、初Vを飾った。今季のルーキーでは一番乗りの優勝となった。
「スタートして、すぐにのどが渇いて水を飲みたいと思うほど緊張していました。4打差ありましたが、1ホール、2ホールで何があるかわからないだけに油断はできないなと思いました。少しずつスコアを落としていく感じでちょっと怖かったのが正直なところです」と振り返った。
4打差の単独首位でスタートしたが、前半はショットが乱れ、7番を終えた時点で1打差に迫られた。それでも、後半に圧巻の飛距離と勝負強さを発揮した。15番では1番ウッドで残り66ヤードまで運んだ。58度のウエッジで1・5メートルに寄せて楽々バーディー。「3打差がついたのでいけると思った」と優勝を確信した。
最終18番もティーショットで262ヤードを飛ばした。最後もバーディーで締め、終わってみれば4打差がついていた。記念のボールをキュロットスカートのポケットにしまった。「プレッシャーとかあって、やっと一日が終わったとホッとした気持ちが一番でした」とようやく笑った。
2023年のプロテストは最終予選で1打届かず涙をのんだ。師匠の中嶋常幸に「この悔しさをバネにするしかない」と励まされ切り替えた。「中嶋プロに言われるとそうかなと納得できる。自分の中に安心感ができます」。前夜も、中嶋からLINEで「明日はなるようにしかならない。思い切ってやってこい」とメッセージを受け取った。
その中嶋から「ブンちゃん」の愛称をもらった。「ブンブン振り回す」ことが由来だ。「もう自分らしく振って思い切ってやるしかないと思いました」。平均飛距離258・20ヤードはツアー全体でも2位。最終日も自慢の1ウッドを自信を持って握った。
ルーキー一番乗りでのツアー初V。ホールアウト後、同世代の管楓華や都玲華らに祝福された19歳は「みんなとハグしてようやく優勝の実感が湧きました」と豪快なゴルフとは対照的に19歳らしさを見せた。
年間ポイントランクは6位に浮上した。「早くて来年、(遅くとも)2年後には米ツアーに行けるように頑張っていきます。日本で5勝して行きたい。米国で女王になるのが最大目標です」と大きな夢を口にした。父・勝則さんが「打てば響く」をイメージして「響」と名付けた。豪快なショットを武器に、世界へ勝利のこだまを響かせる。
ルーキーの入谷は5月に発売された「EPOCH 2025 JLPGA OFFICIAL TRADING CARDS ROOKIES & WINNERS」にルーキーカード(RC)が封入されている。今回の初Vを記念したオンデマンドカード「EPOCH-ONE」にも、もちろん、ルーキーカードのロゴマークが入っている。入谷にとっては今季だけの貴重なロゴマークが入ったレアな1枚になった。
Cove(ライター)
元スポーツ紙ライター。国内外のコレクションアイテムを収集して30年あまり。ボブルヘッドのコレクションが自慢で日本唯一のボブルヘッドライター(自称)。トレカはレギュラカードのコンプリと日本人メジャーが中心。