ペンギンがMLBの始球式でマウンドに上がった。6月8日のシカゴ・ホワイトソックス対カンザスシティ・ロイヤルズ戦で、ホワイトソックスの本拠地レート・フィールドに登場したのはブルック・フィールド動物園からやってきたペンギンの「ペペ」。大歓声の中、飼育員の後をよちよちと歩きながらマウンドに降り立った。
「世界海洋デー」を記念したこの日、ペペは動物園のCEOの始球式を横で見守った。CEOが投げ終わった後もマウンド上で仁王立ちしていた。
ホワイトソックス球団の公式SNSでは始球式を前に選手と挨拶するペペの様子を投稿。ペペの元気の良さに選手は驚き笑顔を浮かべていた。
ホワイトソックスはこの日、ロイヤルズに5-7で逆転負け。今季22勝44敗となり、ア・リーグ中地区の借金をすべて背負いながら最下位に沈んでいる。
それでも、地元メディアはSNSでの盛り上がりを紹介。「ホワイトソックスの投手陣に加わってほしい」「おそらくチーム全体より優れている!」との声を紹介。さらにペペの起用法まで議論の対象になったといい「先発ローテの一番手に」「彼をクローザーにしよう」というやりとりを伝えた。
さらに「日曜日の試合展開からすると、ホワイトソックスはペペをリリーフ投手として使う必要があるかもしれない」とジョークを飛ばしつつ「ペペが最終的にホワイトソックスに呼ばれるかどうかは分からない」と伝えた。
動物の始球式といえば、大谷翔平投手(ロサンゼルス・ドジャース)の愛犬デコピンの登板が話題になったが、TOPPS社のオンデマンドカード「TOPPS NOW」では、デコピンの始球式直後に本塁打を放った大谷のカードは作ったがデコピンのカードは作られなかった。
ただし、デコピンは、大谷がMVPを受賞した際に「TOPPS NOW」に初登場している。
「TOPPS NOW」ではペペのカードを制作した。「TOPPS NOW」ではこれまで、数々の動物カードを作り、人気を集めてきた。
2022年10月12日、ナ・リーグ地区シリーズ第2戦、ロサンゼルス・ドジャーズ対サンディエゴ・パドレス戦。ドジャースタジアムでのダルビッシュ有とクレイトン・カーショーのエース対決は、ともに3失点ながら、5回で降板したカーショーに対して、ダルビッシュが6回のマウンドに上がり、5-3の勝利に貢献。ポストシーズン2勝目をマークした。
この試合で、ドジャースタジアムを沸かせたのが、1羽の鴨だった。パドレスが5対3と2点リードで迎えた8回裏2死。右翼と二塁の定位置の中間地点に大きな鴨が飛来。試合は数分間中断したものの続行し、ラックスが元北海道日本ハム、福岡ソフトバンクのマルティネスから鴨のいる右前へ安打を放った。
まったく、動揺しない鴨にスタンドは大盛り上がり。MLBでは、動物は「逆転の使者」と呼ばれ、これまでも人気を集めてきた。確かにドジャースのチャンスは広がったが、パドレスは守護神のヘイダーを投入して逃げ切り。対戦成績を1勝1敗とした。その後、一度は飛び立った鴨は、再びグラウンドに戻ってきたところをスタッフに青いタオルで優しく包まれ、大きなバケツに保護され、球場を後にした。
それ以前にも、猫やリスなど球場に乱入した動物たちが「TOPPS NOW」になっているが、今回の「ペンギン」カードは「鴨」カード以来の、球場での動物カードとなる。
Cove(ライター)
元スポーツ紙ライター。国内外のコレクションアイテムを収集して30年あまり。ボブルヘッドのコレクションが自慢で日本唯一のボブルヘッドライター(自称)。トレカはレギュラカードのコンプリと日本人メジャーが中心。
追記)KONAMI社では6月23日、KONAMI社がTCG「遊戯王」でドジャースのユニホームを着たデコピンの始球式カードを作り、大谷にプレゼントした。