NBAファイナル2025第7戦が6月22日、行なわれ、オクラホマシティ・サンダーが103-91でインディアナ・ペイサーズに勝利。4勝3敗とし、2024-25シーズンの王者となった。サンダーはシアトル・スーパーソニックス時代の2008年にオクラホマシティへ移転後、初の優勝となった。
ペイサーズは第1クォーター(Q)残り4分55秒、それまで3本の3ポイントを沈めていたタイリース・ハリバートンが、ドリブルで攻め込んだ際に右アキレス腱を断裂するアクシデントに見舞われた。

第6戦まで存在感を見せたハリバートンだったが…
ペイサーズは粘り強く戦い、前半を48-47と1点リードで折り返したが、後半は、完全に流れが変わった。第3Qに入ると、サンダーがチェット・ホルムグレンのショットで逆転し、34-20と突き放すと、そのまま終盤までリードをキープ。アンドリュー・ネムハードの3ポイントなどで、残り2分を切ってペイサーズに10点差まで迫られたが、シェイ・ギルジャス・アレクサンダー、ジェイレン・ウィリアムズ、ホルムグレンがフリースローを沈めていき、最後は12点差で勝利した。
SGAが29点、12アシストをマーク。シリーズでも最多の平均30.3点、4.6リバウンド、5.6アシスト、1.86スティールを記録しファイナルMVPに選出された。「現実とは思えない。数えきれないほどの時間、数えきれないほどの瞬間、数えきれないほどの感情、数えきれないほどの疑念の夜、数えきれないほどの信念の夜。自分たちは努力した。優勝に値するチームだ」と話した。
SGAは2018年のNBAドラフトで1巡目、全体11位でシャーロット・ホーネッツから指名を受け、トレードでロサンゼルス・クリッパーズ入り。2019年にポール・ジョージと複数のドラフト指名権とのトレードでサンダーへ移籍した。
2020-21シーズンに22勝、2021-22シーズンに24勝しか挙げられない苦しい時期も過ごしたが、今季はレギュラーシーズンで68勝を記録し、シーズンMVPと得点王(32.7点)を受賞した。サンダーはレギュラーシーズンとプレーオフを合わせて84勝を記録。1996-97シーズンのシカゴ・ブルズと並ぶ、史上3番目に多い勝利数を積み重ねたチームをけん引し、キャリア初の優勝を成し遂げ、ファイナルMVPに授与されるビル・ラッセル・トロフィーも手にした。
SGAはシーズンMVPにも輝いており、シーズンMVPがファイナルを制覇したのは、2012-13シーズンのレブロン・ジェームズ(当時マイアミ・ヒート、現ロサンゼルス・レイカーズ)以来、史上15人目。シーズンMVPとファイナルMVPを同一シーズンに獲得したのは、そのレブロン以来、史上11人目となった。
「得点王・シーズンMVP・ファイナルMVP」の3冠となるとカリーム・アブドゥル・ジャバー(1970-71、ミルウォーキー・バックス)、マイケル・ジョーダン(1990-91、91-92、95-96、97-98、シカゴ・ブルズ)、シャキール・オニール(1999-2000、ロサンゼルス・レイカーズ)以来、3人目の快挙となった。得点王とファイナル制覇を同一シーズンに達成したのも、そのオニール以来、5人目だった。「自分がそんな選手だなんて想像もできないよ。子どもの頃、誰もが夢を見ることだ。でも、それが本当に叶うかは分からない。夢を叶えられてただただ嬉しい」
7月で27歳となるSGA。ロースターに27歳以上の選手が2人しかおらず、1977年のポートランド・トレイルブレイザーズに次いで史上2番目に若い優勝チームとなったサンダーの象徴にもなった。「自分がそのグループの一員だなんて信じられない」と笑顔を見せた。
PANINI社ではオンデマンドカード「PANINI INSTANT」でサンダーの優勝を記念するカードを制作。ただのカラーバリエーションではなく「ホワイトタイガー」「ブルーバイパー」というアニマル柄の珍しいパラレルも登場した。
Cove(ライター)
元スポーツ紙ライター。国内外のコレクションアイテムを収集して30年あまり。ボブルヘッドのコレクションが自慢で日本唯一のボブルヘッドライター(自称)。トレカはレギュラカードのコンプリと日本人メジャーが中心。