【コラム】島本和彦の「BASKETBALL~カード&メモラビリア・コレクターのできるまで。」第3回

そうこうしているうちに月刊ですから毎月、経験を踏んでいくわけで、NBAに関する知識はドンドン増していきました。そして70年代の末、アメリカから電話が入りました。その頃、「海外に電話をする」というのは物凄く高価であり、まず使うことはありません。

テレタイプなどと言う通信社が主に使っていた、今では使われなくなっている通信機器で連絡を取り合っておりました。そんな時のアメリカからの電話ですからびっくりしました。ロサンゼルスからだというのです。

相手は、レイカーズの方からでした。今から考えれば誰でもが知るレイカーズで、そのオーナーのアシスタントをやっている山洞節雄(さんどう・せつお)さんという方からでした。アシスタントというのは日本的に言うと秘書の立場の方で、オーナーと直結のかなり力をお持ちの方であることが後に判明します。

そんな方が、日本の友人から「日本でも月刊バスケットボールというマガジン(月刊誌)が出ているよ」ということを聞き、連絡したというのです。何か役に立てるかもしれないので連絡を取り合いましょう、ということになりました。とりあえず、NBAやレイカーズの発行物を送ってもらうことから付き合いが始まりました。時々、日本にも帰省しますのでその時にはお会いしましょうという感じでお付き合いが始まったのです。
こちらは日本のよちよちと歩き出したばかりの「月刊バスケットボール」を送るしかありませんでしたが、LAから送られてくる内容が最新の情報だったし、写真も素晴らしかったのですぐさま紙面に反映したことは言うまでもありません。

World hoop sounds という世界のバスケットボールニュースのページは、それまで執筆者がバスケの知識がないのと、日本には情報がまったくないということでニュースが半年遅れという状態でした。まぁ、その頃の時代背景はFAXも無し、パソコンもインターネットも無し、もちろん携帯電話も…。という無いない尽くしでしたから読者のみなさんも違和感はなかったのではと思います。テクノロジーの発達に従って徐々に遅れを取り戻して行きました。

アジアのはじっこ、極東といわれる位置にある日本という国にバスケットボールの雑誌があるなんてと1987年に初めて渡米した時にビックリされたのを思い出します。アメリカ人の日本バスケのレベル感はその位のものだったという現実を思い知らされたものです。この時は会社も儲けの出ていない雑誌に対して旅費を出してくれるほど優しくはありません。休暇をいただき、自費でLAに1週間滞在しました。(続く)

 

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文:島本和彦
「月刊バスケットボール」初代編集長。
NHK-BS放送でのNBAテレビ解説や、日本人記者として初となる現地でのNBA取材実施など、日本におけるNBA普及のパイオニアとして知られる。また、「能代バスケミュージアム」の設立や、全国各地の高校バスケットボール部を取材するなど、国内バスケットボール界の発展にも尽力してきた。バスケカルチャーに関わる品々の収集にも情熱を注ぎ、その膨大かつ希少なコレクションは他に類を見ない。
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