NCAA(全米大学体育協会1部)リーグ所属の16チームによる優勝決定トーナメント1回戦が行われ、スタンフォード大がバージニア工科大に4-7で敗戦。トーナメント敗退となり、同大の佐々木麟太郎内野手にとって1年目のシーズンが終了した。
佐々木は花巻東高で高校通算140本塁打を記録。NPBを含め、日本国内の進路を選ばず、スタンフォード大に入学し、周囲を驚かせた。同大では1年目からリーグ戦に出場した。
この日は「6番・一塁手」でスタメン出場し、第1打席は遊飛、第2打席と第3打席は外野への飛球に倒れ、4点を追う7回の第4打席は2死満塁のチャンスで空振り三振に終わった。この日を含め、52試合に出場して打率.269、7本塁打、41打点をマークした。
試合後、佐々木は「自分の結果どうこうではなく、負けたことがいちばん悔しい。自分自身もチームに流れを持って来られず、とにかく今は悔しい気持ちだけ」と悔しがった。
それでも、1年目のシーズンを振り返り「成績は全然満足していないが、最低限という意味ではきょうまで52試合をけがなくしっかり戦い抜けたというのはうれしい。チームが勝つために、自分自身がどれだけうまくなって戻ってくるかが大事だと思う。来年はチームの先頭に立てるようにやっていきたい」と話した。
渡米1年目からの活躍で、MLBドラフトでの指名の可能性も現実味を帯びてきた。MLBドラフトは毎年、オールスターゲーム期間中の3日間に渡って開催される。4年制大学に在籍する学生を指名できるのは2年生を修了しているか、年齢21歳以上となる。佐々木は2005年4月生まれのため、2026年7月のドラフトで名前が挙がる可能性もありそうだ。
佐々木への注目度が上がっていることへの証明が米国メーカー製のトレーディングカードだろう。ここまで、佐々木のトレカはLEAF社が先行して各ブランドで作ってきて、ネットオークション「eBay」でも人気を集めてきた。
たが、先日、PANINI社のオンデマンドカード「PANINI INSTANT」に初登場。TOPPS社と並ぶ2大メーカーのPANINI社がカードを作ったことは大きな意味がある(LEAFもPANINI傘下ではあるが)。
PANINI社では、今後、MLBで活躍しそうなアマチュア選手、ドラフト指名されそうなアマ選手をカード化。ボックス、パック商品として「PROSPECT EDITION」に佐々木のカードが収録された。さらに、定番ブランドの「EXTRA EDITION」にも、佐々木のカードが封入されることも予想される。
もちろん、MLBドラフトで指名されても、大学を中退してメジャー球団に入団するか、はわからない。卒業してから、帰国してNPB球団に入るのかもしれない。それでも、米大学球界、米トレカ界に新風を吹かせたことは間違いない。来季の「RINTARO SASAKI」の動向に、野球ファン、そして、日米のトレカ関係者、コレクターが注目している。
Cove(ライター)
元スポーツ紙ライター。国内外のコレクションアイテムを収集して30年あまり。ボブルヘッドのコレクションが自慢で日本唯一のボブルヘッドライター(自称)。トレカはレギュラカードのコンプリと日本人メジャーが中心。