NBA 2024-25シーズン最優秀選手として、オクラホマシティ・サンダー（以下、OKC）のシェイ・ギルジアス・アレクサンダー選手（以下、SGA）が選出された。
二年前は投票順位５位、昨年は2位と順当に実力を示しており、今年ついに念願のMVPアワードを受賞した。
今シーズンは平均32.7得点、5リバウンド、6.4アシストと非常に高水準のスタッツで、チームの飛躍に大きく貢献。
カナダ人としてはスティーブ・ナッシュ(2004-05シーズンと2005-06シーズン)以来の受賞であり、OKCの選手としてはケビン・デュラント（2013-14シーズン）とラッセル・ウェストブルック（2016-17シーズン）以来の受賞となる。
七年目のベテランとなるSGAだが、彼のキャリアがシャーロット・ホーネッツからの指名から始まったことを覚えている人はあまりいない。
というのも、2019年NBAドラフトで11番目に指名された直後、2巡目のピックふたつとSGAの指名権が、ロサンゼルス・クリッパーズの12番目の指名権とトレードされたからだ。
そのままSGAはロサンゼルス・クリッパーズと契約を交わし、2018-19年にはスターティングポイントガードの大役を任されている。
NBA1年目のレギュラーシーズンとポストシーズン全試合に出場した後のオフシーズン、ポール・ジョージが中心となる超大型トレードの一部としてOKCに移籍。
リビルドの中核としてチームに据えられ、以降ここ数年のOKCの右肩上がりの活躍を支える大黒柱となっている。
2020-21シーズンには平均20得点を超え、2022-23シーズン以降はシーズン平均30得点越えを毎年記録。
今シーズン1月にはキャリアハイとなる1試合54得点を記録し、自身3回目となるオールスターにも選出された。
すでにNBAの顔役の一人として、確固たる地位を築いている。
SGAの活躍に伴う知名度と人気の上昇は、トレーディングカード市場にも表れている。
昨年3月にはGOLDIN AUCTIONにて、PANINI社の代表ブランドの一つ「PRIZM」に収録された、SGAの1/1ブラックパラレル（PSA社鑑定グレード9）のルーキーカードが196,420ドル（約2,700万円）で落札されている。
1/1のような超希少シリアルが付いていなくとも、ミントモールでは、同じPRIZMのシルバーパラレル（PSA社鑑定グレード9）のルーキーカードが35,000円で販売されている。
さらに今年4月には、GOLDIN AUCTIONにて、PANINI社の最高級ブランドのひとつ「NATIONAL TREASURES」に封入されていた、
SGAのルーキーパッチオートグラフカード（3/5、BGS社の鑑定グレード9.5、オートグラフグレード10）が128,100ドル（約1,800万円）で落札されており、SGAの人気の高さと実力がカードへの注目と需要の高さに反映されている。
SGAの飛躍的な成長と安定したパフォーマンスは、チーム成績にとどまらず、トレーディングカード市場における評価にも直結している。
今後さらなる実績を積み重ねることで、彼のカード価値は新たな段階へと移行していくだろう。
現役選手の中でも、継続して注目を集める存在として、その動向から目が離せない。
現在行われているプレイオフでのパフォーマンスも含め、SGAがこれから描いていくストーリーと、市場の動きがますます楽しみだ。
文：蛭子（ミント新宿店 副店長）
MLB・NBA・NFL、その他数々のアメリカンスポーツを愛する生粋のボストンっ子。
現地観戦やファンベースでの経験を活かし、豊富な知識とともに、スポーツへの熱い思いを店舗でも日々発信中。
