【コラム】初のワールドカップ出場|フランスで輝いた井原選手と中山選手

2026年は、ワールドカップイヤーだ。まだ見ぬ先、優勝を目標に掲げる森保ジャパンの戦いが、いまから楽しみだ。

 8大会連続出場と今やアジアナンバーワンと言ってもいい存在だが、かつてワールドカップは夢のまた夢。オリンピックも出場できない低迷の日本サッカーだった。86年メキシコ大会アジア最終予選で韓国に敗れ、94年のアメリカ大会は、あと一歩で出場を逃した。ドーハの悲劇として記憶に残る。93年にJリーグが発足して急激に進化した日本サッカーは、98年のフランス大会に初の出場を果たした。ジョホールバルの歓喜は、日本中のサッカーファンが沸いた。

やはり日本が初めてワールドカップに出場したフランス大会は、最も印象に残る大会だった。いてもたってもいられず、友人2名とフランスに飛んだ。大会前から、日本戦のチケット争奪は激しく、ダフ屋で買ったとかいろいろ情報が飛び交った。旅行代理店を通して手を尽くしたが、結局日本戦は観戦できなかった。初戦アルゼンチン、第2戦クロアチア、第3戦ジャマイカ戦、ことごとくチケットは取れなかった。それでも3試合を観戦できた。アルゼンチン対ジャマイカは、パリのパルク・デ・プランスで見た。バティストゥータのハットトリックでアルゼンチンが5-0と快勝した。フランスでワールドカップを見てきたと言うと、何戦を見たのですかと聞かれた。「アルゼンチンとジャマイカ」と答えると、「えっ、日本戦を2試合も見たのですか」と驚かれた。違うけど。

第2戦のクロアチア戦の日、仕方がないからユーロ・ディズニーに遊びに行った。チケットが取れなかった代表ユニホームを着た日本人も何人か見かけた。
日本戦は、ホテルでテレビ観戦。とにかく貧乏旅行だったので、近くのスーパーでポリバケツを買って、ホテルの製氷機からただの氷をバケツ一杯に入れて、ビールを冷やして飲んだ。これはいいアイデアだと、翌日から他の国のサポーターも同じようにバケツを持って並んでいたのには笑った。
 ランスで行われたスペイン対ブルガリア戦も見に行った。パリ東駅でTGVに乗る前に、当時横浜マリノスの監督をしていたアスカルゴルタ監督に会った。「スペインが勝つよ」と自信満々だった。会場では、スペインのレジェンドでやはり当時横浜マリノスでプレーしていたフリオ・サリナス選手にも会った。「日本から来ました。横浜マリノスのファンなんです」と話しかけたら、にこやかに握手してくれた。
試合と試合の間の空いた日は、エッフェル塔にも登ったし、セーヌ河を観光船で下ってノートルダム寺院も見た。もちろんルーブル美術館でモナ・リザも観た。試合と観光、まさに充実した日々だった。




そんな思い出話はこれくらいにして、この大会から2名をテーマにしたい。一人は、キャプテンとしてチームを引っ張った井原 正巳選手。

もう一人は、日本代表によるワールドカップ史上初のゴールを決めた、中山 雅史選手だ。

アジア予選で不調の日本代表は、加茂周監督を解任し、岡田武史コーチを監督に据えた。その岡田監督は、Jリーグの2大スターの一人、カズをメンバーに選出しなかった。それだけに”アジアの壁”と呼ばれる井原 正巳選手への期待は大きかった。大会直前にケガをして、初戦の出場が危ぶまれた。横浜マリノスファンであっただけに、とにかくキャプテンマークを付けて、初めてのワールドカップに出てほしいと本当に祈るような気持ちだった。 チームの先頭でキャプテンマークを付けた井原選手が入場してきた時は、本当に嬉しかった。

滋賀県・守山高から筑波大。高校まではFWだったが、的確な位置取り、正確なフィードを武器にDFにコンバートされ、当時の日産に入部した。その後、横浜マリノスのキャプテンとして95年にJリーグ初制覇も成し遂げた。トレカで見ると2024年のTOPPSの直筆サインカードが、3,000円から5,000円でオークションに出ている。



 フランス大会は、アルゼンチンに0-1、続くクロアチアにも0-1と敗戦。迎えたグループリーグの最終戦はジャマイカ戦だった。ともにワールドカップ初出場同士の対戦は、ジャマイカが2点リードの74分、左サイドの相馬選手のクロスを呂比須選手が頭で折り返したところを走り込んだ中山雅史選手が右足で合わせた。なんとも格好の悪い態勢でのゴールだった。しかし、ゴン中山らしい泥臭い、執念のシュートが日本代表のワールドカップ史上初ゴールとなった。この記念すべきゴールも本当に嬉しかった。残念ながら3戦全敗。目標の勝ち点は上げられなかった。しかし、日本のサッカーファンの熱狂的な応援とピッチで戦う選手たちに誇りを感じた。



 その中山選手は、静岡県の名門・藤枝東高から筑波大に入部。井原選手とは同級生だ。その後、ヤマハに入部し、ジュビロ磐田で数々のゴールと栄冠を手にした。
 直筆サインカードは、2006年のジュビロ磐田チームエディションが35,000円。2010年のコンサドーレ札幌が12万円と非常な高値が付いている。2,000円から5,000円の直筆サインカードもあるので無理のない範囲で買い求めることができるかも。

他にも印象に残る選手はたくさんいるが、一時代を築いた井原選手、中山選手を振り返ってもいいのではないかと思う。

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文:Chief(ライター)
国内サッカーを中心にトレカの世界を長年に渡って見守って来た元スポーツ雑誌編集者。横浜F・マリノスサポーター。ラグビー、相撲にも造詣が深い。
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